低酸素ガス置換包装による青果物の品質保持

タイトル 低酸素ガス置換包装による青果物の品質保持
研究期間 1996~1996
研究担当者 堀田 博
名和義彦 岩井 幹(千葉県東葛飾農業改良普及センター)
発行年度 1996
要約 青果物の密封包装を開始する時、その容器内を低酸素状態にしてから貯蔵すると低酸素状態を数日間持続できた。また、この包装方法で低酸素状態を保持できる包装フィルムの透過度の範囲は、既に普及している呼吸抑制(MA)包装用包材に比較して、2~3倍程度広がり、種々の透過度のフィルムで、品質保持の延長効果が期待できる。
背景・ねらい  
 青果物の流通技術として、MA効果を利用した密封包装が実用化されている。しかし、輸送時間が短い近郊産地の青果物や、花き等の容積に比べて軽量のものでは、内部が包装設計した酸素・二酸化炭素濃度に到達しMA状態になる前に袋から取り出される可能性が高い。また、一つの青果物の包装には一種類のフィルムで対応できないかとの流通現場からの要望もある。そこで、青果物の呼吸抑制による品質保持効果が短期間に現れ、しかも多様な青果物の呼吸量に対応可能なフィルム密封包装方法を開発するため、包装容器内を低酸素状態にしてから密封する方法を検討した。本研究は、高品質流通システムの確立に資する技術を開発するための一環である。
成果の内容・特徴
  1. 透過度が異なる種々のフィルム(酸素透過度4千~約7万?/㎡気圧日)に青果物を入れ脱気し、窒素ガスを注入して酸素濃度を約2%に調整後、密封包装(低酸素包装)して貯蔵すると(20℃)、開始時の低酸素状態を数日間持続できた(図1)。
  2.  低酸素包装で、その低酸素状態を持続できる包材フィルムの透過度の範囲は、MA包装が成立可能な範囲に比べて広くなる(表1、図2)。 
  3. 一般にMA包装の場合には青果物の呼吸で内部が低酸素・高二酸化炭素状態になるが、低酸素包装では、選択透過性フィルムのように、その内部が低酸素・低二酸化炭素状態になり(図1)、炭酸ガス障害を回避できる。
  4.  脱気状態のまま貯蔵を開始する(脱気包装)と、透過度の高いフィルム以外は内部が嫌気状態(酸素濃度1%以下)となる(表1)。
  5.  品質劣化の指標物質と考えられるL-アスコルビン酸含量は、同じフィルムで貯蔵した場合、低酸素包装の方がMA包装より減少が2割以上抑えられた。 
  • [成果の活用面・留意]
成果の活用面・留意点 [成果の活用面・留意]
  1.  低酸素包装に使用する包材フィルムは、包装設計で計算された包装資材の透過度を中心に絞り込み、個々の青果物でその品質保持効果を確認してから選択する必要がある。
  2. 開始時の酸素濃度は、内部が嫌気的になりやすい大きな青果物や低酸素状態で代謝異常が起こり易いものでは、異味や異臭が生成する場合もあるので、個々の青果物で確認する必要がある。 
  3. 低酸素包装を効率的に行うには、自動包装システムの中に密封包装容器内を低酸素状態にする装置を組み込む必要がある。
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図表1 224458-1.gif
図表2 224458-2.gif
図表3 224458-3.gif
カテゴリ 品質保持 輸送

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