きのこの種・株の菌糸DNAによる識別法の開発

タイトル きのこの種・株の菌糸DNAによる識別法の開発
研究期間 1997~1997
研究担当者 伊藤康博
伏見力
柳園江
発行年度 1997
要約  きのこ(担子菌)の培養菌糸から抽出したDNAをRAPD法を用いて解析し、種・株の同定識別を行う技術を開発した。本法によればヒトヨタケ属6種の識別とその一部の株同定が可能であり、マツタケと近縁4種も識別が可能である。
背景・ねらい  
従来、きのこは子実体(きのこ)の形態で分類されていたが、培養、栽培では子実体のできない種も多く、菌糸の段階での種の識別法の確立は研究実用両面からきわめて重要である。本研究では菌糸より得たDNA情報からのきのこの種識別法の開発を目的として、DNAの違いを容易に検出できるRAPD
( Random Amplified Polymorphic DNA )法を適用した種・株の識別法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. ヒトヨタケ属6種、マツタケとその近縁種4種の液体培養で得た菌糸から抽出したDNAを、10塩基任意配列プライマーを用いてPCR反応を行い、アガロースゲル電気泳動を行った。
     
  2. ヒトヨタケ属ではそれぞれの種・株で特有のRAPDパターンを示し(図1)、明確に種・株を識別できた。
     
  3. マツタケとその近縁種では多くのプライマーで種特有のパターンを示したが(図2)、マツタケとオウシュウマツタケでは似通ったパターンを示すプライマーもあった。しかし10プライマーから得たRAPDパターンを統計的に比べると、種の違いによるパターンの違いは明確であり(図3)、マツタケにおいても種識別に適用できることが示された。
成果の活用面・留意点  
試験ごとに結果が不安定になる可能性もあり、条件を均一にすることが必要である。
図表1 224493-1.gif
図表2 224493-2.gif
図表3 224493-3.gif
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