抗アレルギー性評価系に有効なヒトマスト細胞株

タイトル 抗アレルギー性評価系に有効なヒトマスト細胞株
担当機関 (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1996~2000
研究担当者 山本(前田)万里
川本恵子(生研機構)
発行年度 2001
要約 食品成分の抗アレルギー性評価に必要なヒトマスト細胞株を限界希釈法により樹立した。この細胞は、マスト細胞に必須な表面マーカーである高親和性IgEレセプタのα、β、γ鎖すべてを発現し、IgE架橋により細胞内のヒスタミンを遊離する。
背景・ねらい 茶を含む食品中の抗アレルギー性評価系のひとつとして、ヒト免疫担当細胞株を用いる方法の確立を目指している。アレルギーはマスト細胞上でのアレルゲン(抗原)とIgE抗体の結合が引き金となって起こる。そのため、抗アレルギー性評価系では、マスト細胞が必須となる。そこで、限界希釈法によりヒトマスト細胞株を樹立し、細胞機能を解析する。
成果の内容・特徴
  1.  ヒト未分化マスト細胞株HMC-1から限界希釈法でクローニングしたマスト細胞(Mcε27)は、半接着性の細胞であり(図1)、マスト細胞に必須の表面マーカーである高親和性IgEレセプタ(FcεRI)のα、β、γ鎖すべてを発現している(図2)。
  2.  Mcε27は、FcεRIとともに、マスト細胞に特徴的な表面マーカーであるc-kitを発現している(図3)。
  3.  Mcε27は、FcεRIにIgEを結合させた後、抗IgE抗体で架橋させる刺激(アレルギー反応でのIgE架橋)により、ヒスタミンを遊離する(図4)。

成果の活用面・留意点 新たに樹立したヒトマスト細胞株は、マスト細胞からのケミカルメディエータ阻害物質等食品中の抗アレルギー成分の探索に有効である。しかし、高親和性IgEレセプタの発現が不安定なので、高発現のための条件を検討しつつ、高発現状態の細胞株をできるだけ多く凍結し、発現量を確認しながら使用する必要がある。
図表1 224547-1.gif
図表2 224547-2.gif
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