電解水を用いた野菜の効果的殺菌と品質保持

タイトル 電解水を用いた野菜の効果的殺菌と品質保持
担当機関 (独)食品総合研究所
研究期間 2000~2004
研究担当者 五十部誠一郎
小関成樹
発行年度 2004
要約 強酸性電解水を用いたレタスの殺菌において、加温した(50°C)強アルカリ性電解水を前処理に用いることで顕著な殺菌効果および褐変抑制効果を得ることができた。また,バイオフィルムの殺菌においても強アルカリ性電解水による前処理が効果的であった。
背景・ねらい 電解水(強酸性電解水および強アルカリ性電解水)のポストハーベストを含む農業分野への最適化利用のため に、処理方法(主に殺菌効果)に関しての諸問題を抽出し、その解決方法を検討して最適な処理方法を提案する ことを目的とした。その中で、殺菌効果を評価するための実験系として、椊物表面やバイオフィルムの殺菌効果 評価方法を確立し、この評価系を用いて、電解水の殺菌効果を最大限にするため、強アルカリ性電解水による前 処理や加温等を併用した処理方法を検討した。
成果の内容・特徴 1.強アルカリ性電解水による前処理と加温との併用効果の検討 強酸性電解水による処理との併用効果を明らかにするため、強アルカリ性電解水による前処理、さらには加
温(50°C)処理の併用効果について検討した(図 1)。その結果、通常の温度(20°C)での強アルカリ性電 解水の前処理(5 分間)効果は、強酸性電解水による単独処理よりも殺菌効果が1 log10 CFU/g程度向上し た。一方、強アルカリ性電解水を50°Cに加温して前処理(5 分間)に用いた場合には、強酸性電解水によ る単独処理よりも殺菌効果が3 log10 CFU/g程度向上した。また、レタスの品質として、栄養成分の一つで あるアスコルビン酸の含量変化を比較した結果、加温処理を含めて一連の電解水処理によって影響を受け ないことが明らかになった。
2.バイオフィルムに対する殺菌効果の検討 金属表面に大腸菌のバイオフィルムを流れの中で生成するシステムを作成した(図 2)。これによって安定
的にバイオフィルムを作成することが可能になった。バイオフィルに対する電解水の殺菌効果を検討した 結果、強酸性電解水による単独処理では顕著な効果は認められなかった。一方、強アルカリ性電解水によ り前処理した後に強酸性電解水で処理した場合は、顕著な殺菌効果を示した(図 3)。
3.付着有機物量と電解水の殺菌効果との関係解明 レタス表面に微量の有機物(ペプトン溶液)を付着させることで、強酸性電解水の殺菌効果は低下すること
が確認された(図 4)。しかし、これらの付着物も強アルカリ性電解水等で前処理することで除去され、強 酸性電解水本来の殺菌効果を得ることができた。したがって、確実に安定的な殺菌効果を得るためには前 処理が必要上可欠であることが示唆された。
カテゴリ 品質保持 レタス

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