タイトル | 抗生物質耐性菌のその獲得メカニズムを解明 |
---|---|
担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
越智幸三(農研機構 岡本晋(農研機構 食総研) 西村賢治(食総研 静岡大) 中島千恵(北大) 田丸亜貴(大阪市衛研) 田中幸徳(食総研 徳山真治(静岡大) 鈴木定彦(北大) |
発行年度 | 2006 |
要約 | ストレプトマイシン発見以来60年間不明であった低レベルストレプトマイシン耐性変異を同定する事に成功した。この低レベル耐性変異はrsmG遺伝子に生じたものであり、かつ本遺伝子は16S rRNAの527位のGをメチル化する酵素をコードしている事を明らかにした。本成果は結核治療に関しても画期的な知見を提供するものとなった。 |
キーワード | 抗生物質耐性、ストレプトマイシン、リボゾームRNA、メチル化酵素、Mycobacterium |
背景・ねらい | ストレプトマイシンは現在でも結核治療に使用される重要医薬であるが、AIDSの蔓延以来、結核による死亡者数は世界で年間200万人を数える。結核治療においてはその治療期間の長さのためもあって、抗生物質耐性菌の出現がとりわけ重大な問題となってきた。ストレプトマイシンはワックスマンによる発見以来、既に60年を経ているが、高レベルストレプトマイシン耐性変異(リボゾーム蛋白質S12またはリボゾームRNAに生じている)の実体は当初から明らかにされていたにもかかわらず、低レベルストレプトマイシン耐性変異の実体は60年間不明のままにされてきた。すなわち、低レベル耐性の実体解明は、リボゾーム学のみならず、結核治療にも極めて有用な知見となり得る。 |
成果の内容・特徴 |
|
成果の活用面・留意点 | 応用微生物学においては、リボゾーム攻撃性の薬剤を活用してリボゾームを改変する事により好ましい形質を増強して、物質生産等に利用することが出来る(リボゾーム工学の本来の目的)。一方、病原菌においては、逆に薬剤耐性の獲得をいかにして避けうるかが重要課題となる。今回の我々の成果は、臨床抗生物質ストレプトマイシンの耐性メカニズムのひとつを明かにしたものであり、結核治療およびその対処薬剤を開発するにおいて重要な知見となり得る。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 耐性菌 薬剤 薬剤耐性 |