ローズグラス多収新品種「アサツユ」の育成

タイトル ローズグラス多収新品種「アサツユ」の育成
担当機関 鹿児島県農業試験場
研究期間 1985~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 初期伸長性と低温伸長性に優れ、広範な地域で多収を示す早生のローズグラス新品種を育成した。多年利用の秋から早春の収量は標準品種ハツナツより24%多く、単年利用の1番草収量は10%多い。関東以西の飼料畑と南西諸島の草地に適する。
キーワード 初期伸長性、低温伸長性、多収、ローズグラス、関東以西、南西諸島
背景・ねらい ローズグラスは最も広く栽培されている暖地型イネ科牧草である。既存品種は初期伸長性に劣るため雑草に被われやすい上に、単年利用の1番草と多年利用の秋から早春の収量が十分ではないという問題点がある。このため、関東以西から南西諸島まで広く適応する、初期伸長性と低温伸長性に優れる多収品種を育成する必要がある。
成果の内容・特徴 「アサツユ」は既存品種の「ハツナツ」および「カタンボラ」より多収で、初期伸長性と低温伸長性に優れた早生の二倍体品種である。
  1. 年間合計乾物収量は、多年利用の場合は「ハツナツ」対比で118(実収量257.9kg/a)、単年利用の場合は「ハツナツ」対比で108(全国8場所平均、実収量143.7kg/a)と多収である(表1)。
  2. 関東以西の広範な地域に適応し、安定した高い収量水準を維持する(表1)。
  3. 1番草の乾物収量は、「ハツナツ」対比で単年利用の場合110(表2)、多年利用における秋から早春の低温期の乾物収量は「ハツナツ」対比で124であり(表2)、初期伸長性と低温伸長性に優れている。
  4. 出穂始は鹿児島で8月9日頃で「ハツナツ」並であり、「カタンボラ」より早い早生である(表2)。
  5. 草型は中間型で「ハツナツ」よりやや立型である(表2)。
  6. 粗タンパク質含有率は「ハツナツ」「カタンボラ」よりやや低く、乾物分解率は「ハツナツ」「カタンボラ」並である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 関東以西の飼料畑と南九州の早期水田跡地における採草用一年生暖地型牧草として、また南西諸島では採草・放牧用多年生牧草としての利用に適する。
  2. これまでの品種に比べて初期生育が良く、刈遅れて倒伏すると再生不良となるので、1番草は草丈70cm前後で刈り取る。
図表1 224680-1.gif
図表2 224680-2.gif
図表3 224680-3.png
図表4 224680-4.png
カテゴリ 病害虫 雑草 新品種 水田 品種

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