タイトル |
加工用スイートコーン新品種「スイートエール」の育成 |
担当機関 |
ホクレン農業協同組合連合会農業総合研究所(共同研究) |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
スイートコーン「スイートエール」は、熟期が早生の中に属し、北海道一円に適応する。同熟期の「リワード」に比べて、収量性、耐倒伏性、缶詰加工品質に優れる。
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背景・ねらい |
北海道の加工用スイートコーン栽培では、今後一層の低コスト、高品質、安定生産が重要な課題である。早生品種「リワード」は全道作付けの15%を占めるが、収量性、加工品質、耐倒伏性が十分ではない。また、加工工場の操業期間の延長と晩生品種「ジュビリー」に集中しすぎた作付の分散化(早生~中生の早の異なる熟期の品種の作付け)による安定生産が望まれている。これらのことから、まず、「リワード」に替わる早生の多収、耐倒伏性、高品質の新品種が強く要望されている。
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成果の内容・特徴 |
- 「スイートエール」は、ホクレンがアズグロ社から導入した「86:206」を母親とし、十勝農試育成の「Tos14」を父親として交配育成した単交配一代雑種である(図1)。
- 熟期:収穫期と収穫時果粒水分からみて、収穫適期は「リワード」並で、熟期は早生の中である(表1)。なお、収穫適期は「十生26号」(中生の早)より4日早い。
- 収量性:剥皮雌穂重、果粒収量とも「リワード」よりやや多い(表1、2)。
- 耐倒伏性:「リワード」に比べて明らかに強い(表1)。
- 雌穂特性:雌穂長は「リワード」並、粒列数は約17行である(表1)。
- 加工適性:粒色は「黄色」、粒形は「長方形」である(表1)。穂芯の断面の形は「リワード」の扁平に対して、中間である。全糖含量は「リワード」より高い。果粒歩留りは「リワード」並で良好である(表2)。
- 缶詰加工品質:缶詰加工した場合の色、香味、食感とも「リワード」より明らかに優れ、現在最も良質の「ジュビリー」並である(表2)。
- すす紋病抵抗性:「リワード」よりやや弱く、「中~弱」である。
- 採種性:採種量は種子親対花粉親の畦比が2:1で180kg/10a程度が見込まれる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象地域は北海道の一円である。耐倒伏性が強いため、「リワード」に比べて栽培しやすく、また、高品質原料の低コスト・安定生産に一層有利である。
- 倒伏の多い地域では、他の品種と同様デタッセラーによる頂部切除が必要である。栽培法は一般栽培法に準ずる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
加工
加工適性
新品種
抵抗性
低コスト
品種
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