タイトル |
スーダングラスの耐湿性品種及び夏播栽培の生育と品質 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1993~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
高温条件下におけるスーダングラス品種間の耐湿性は、品種「トルーダン」が最も強い。また、夏播栽培は8月以降の圃場の休閑期を利用し、短期間に比較的高い収量が得られる効率的な栽培法である。
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背景・ねらい |
暖地では麦や早期水稲の収穫跡地は必ずしも有効には利用されていない。そこで、これら作物の収穫跡地へ飼料作物を導入するため、スーダングラス品種について、夏季の高温・多湿条件における生育特性を明らかにするとともに、夏播の短期利用の栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 高温条件下におけるスーダングラス品種間の耐湿性は、供試10品種中「トルーダン」が最も強かった(図1)。
- 「トルーダン」は、出穂まで生育日数が約65日(5月播)の中生に属し、出穂時の草丈は約1.7m、稈径はやや太く(6~7mm)、条斑細菌病に強く、すす紋病に並みの強さであった。
- 7月下旬~8月下旬に播種した夏播スーダングラスの乾物収量は30~110kg/aの範囲にあった(表1)。8月上旬播までの夏播の平均収量は約65kg/aであり、5月播収量の約40%に相当した。
- スーダングラスの収量は生育期間の積算気温(T)と密接な関係(図2、Y=0.053T-34.6、r=0.90**)を示した。関係式から求めた九州中部における夏播の播種限界は、乾物収量50~60kg/a(生草約300kg)、10月下旬(10/20)収穫を前提とすると、8月上中旬(8/4~8/12)が限界となった。
- 夏播スーダングラスは発芽に3日、収穫までの生育日数は約60日、収穫時期は、9月中旬~10月上旬、収穫時の草丈は1.6~2.0m、ステージは出穂前後であった。播種量は条播60cmで400g/a、施肥量(N、P2O5、K2O)は各1kg/a程度を必要とした。
- 夏播スーダングラスの原料草の品質は、5月播に比べて粗蛋白がやや高く、有機物や高消化性画分(Occ+Oa)はやや低い傾向を示した(表2)。また、ソルガム(高糖分品種)に比較してスーダングラスは明らかに粗蛋白が高かった。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は暖地において、麦、早期水稲、早播トウモロコシ等の収穫跡地で、8月上旬以降に約70日以上圃場が利用できる地帯に適用できる。
- スーダングラスは一般に耐病性に劣るので、病害多発地帯では耐病性品種を選定する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
飼料作物
水稲
施肥
ソルガム
耐湿性
耐病性品種
とうもろこし
播種
品種
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