タイトル |
暖地におけるサイレージ用とうもろこしの栄養価の推定法 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
サイレージ用とうもろこしの簡易なTDN含量の推定法を作成した。とうもろこしの黄熟期における雌穂割合から次の推定式によってTDN含量(Y)を推定でき、暖地に適用できる。Y=雌穂割合×0.885+(100-雌穂割合)×0.528-3.2
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背景・ねらい |
サイレージ用とうもろこしの雌穂割合をもとにしたTDN含量の推定は北海道で作成された推定式によるため、暖地では実際より高い数値を示す傾向がみられる。そのために暖地に適した栄養価の推定法を確立することが必要である。そこで、九州地域で栽培されたとうもろこしをもとにして暖地を適用対象とした栄養価の推定法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 九州地域において4月~5月に、播種密度がおおよそ6500~7000本/10aで播種し、標準的な施肥を行い、黄熟期に収穫したサイレージ用とうもろこしのTDN含量の推定式を作成した。
- 九州地域で栽培されたとうもろこし4品種の茎葉の高消化性画分(OCC+Oa)含量及び低消化性画分(Ob)含量の平均は34.8及び55.3%、消化率の平均は80.7及び39.7%、TDN含量は平均52.8%である
(表1)。
- イタリアンライグラス乾草あるいはアルファルファヘイキューブを基礎飼料として、外挿法で求めた雌穂のTDN含量は4品種平均で88.5%である(表2)。
- とうもろこしの雌穂割合及び茎葉と雌穂の可消化養分含量から算出したとうもろこしの可消化養分含量は平均すると細胞内容物(OCC)、細胞壁物質(OCW)ともに実測値より高く、TDN含量は平均で3.2%高い
(表3)。
- そのため、雌穂割合からとうもろこしサイレージのTDN含量(Y)を求める推定式は雌穂割合及び雌穂と茎葉のTDN含量をもとにした計算値から混合給与により低下した分を差し引いて得られる。
Y=雌穂割合×0.885+(100-雌穂割合)×0.528-3.2
- 本方式と従来の北海道方式で求めたそれぞれのTDN含量の関係は直線的で、雌穂割合が40~50%の範囲ではTDN含量は本方式の方が5~4%低く推定される(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 暖地におけるサイレージ用とうもろこしのTDN含量の推定に利用できる。
- 2期作目の夏まきとうもろこしのTDN推定への適用は未検討である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
アルファルファ
イタリアンライグラス
施肥
とうもろこし
播種
品種
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