とうもろこしにおける茎部消化性の変異と遺伝

タイトル とうもろこしにおける茎部消化性の変異と遺伝
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 伊栄作
池谷文夫
濃沼圭一
発行年度 1996
要約 とうもろこしの高消化性分画(OCC+Oa)含量には育種母材改良集団で6.6%、エリート自殖系統で25.7%の変異幅が見られる。その遺伝には一般組合せ能力が重要で、中間親とF1組合せの間にr=0.721**の相関が見られる。また、高消化性分画含量と乾雌穂重割合との間には負の相関が認められる。
背景・ねらい  従来、飼料用トウモロコシでは乾雌穂重割合が高いと考えられてきたが、最近、普及F1
品種の茎葉消化性に顕著な品種間差異があることが判明した。また、茎葉消化性は着雌穂直上節間の消化性と高い相関を示すことが明らかにされた。そこで、栄養価が高い品種を育成する上での基礎的情報を得るため、育種素材の茎部消化性の変異と遺伝を明らかにしようとした。
成果の内容・特徴  暖地向き育種母材改良集団、エリート自殖系統およびF1組合せにおける雌穂節直上節間の細胞内容物(OCC)および高消化性繊維(Oa)含量を酵素法で分析した。
  1. 育種母材改良集団の(OCC+Oa)含量には6.6%の変異幅が認められ、フリント種で高くデント種で低い傾向が見られる(表1)。
  2. エリート自殖系統の(OCC+Oa)含には25.7%の変異幅が見られる(表2)。
  3. OCCおよび(OCC+Oa)含量では一般および特定組合せ能力がいずれも有意であるが、一般組合せ能力がより重要である。また、Oa含量では一般組合せ能力のみが有意である(表3)。
  4. (OCC+Oa)含量にはF1組合せと中間親との間にr=0.721**相関が認められ(図1)。
  5. F1組合せの(OCC+Oa)含量と乾雌穂重割合との間にr=-0.802**負の相関が認められる(図2)。したがって、地上部全体の栄養価を高めるたるには、茎葉消化性と乾雌穂重割合を総合的に評価する必要がある。
成果の活用面・留意点
  1. 高茎葉消化性品種を育成するための基礎資料として用いることができる。
  2. 本成果は繊維の消化性に関与する主働遺伝子を利用する場合には適用できない。
図表1 224789-1.jpg
図表2 224789-2.jpg
図表3 224789-3.jpg
図表4 224789-4.jpg
図表5 224789-5.jpg
カテゴリ 育種 飼料用作物 とうもろこし 品種

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