とうもろこしの極小雌穂の発生に関する遺伝機構

タイトル とうもろこしの極小雌穂の発生に関する遺伝機構
担当機関 草地試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 村木正則
大同久明
門馬榮秀
発行年度 1997
要約 とうもろこしの減収要因の一つである極小雌穂の発生には遺伝が関与し、相加、優性効果がともに重要である。雌穂の特性が安定したF1品種育成には,極小雌穂の発生率の低い親自殖系統を用いる必要があり、親自殖系統は晩播栽培で検定できる。
背景・ねらい わが国の本州以南のサイレージ用とうもろこしの品種育成は、導入デント種と在来カリビア型フリント種とを組合せたときに生じるヘテロシス効果を利用することが基本である。しかし,この組合せは、茎葉部分に比べ子実部分におけるヘテロシス効果が小さく
高品質品種育成の障害になっている。そこで、とうもろこしの子実収量を構成する要素の遺伝的背景を調査し、子実収量を限定している要因を解析した。ここでは,穂芯の発育が不十分で、各供試品種・系統の正常雌穂の3分の1以下の大きさの雌穂を極小雌穂と定義した。
成果の内容・特徴
  1. 導入デント種由来の自殖系統と在来カリビア型フリント種由来の自殖系統を用いて片ダイアレル交雑F1組合せを作成し,極小雌穂の発生率について遺伝解析を行った。遺伝子の相加,優性効果がともに有意で,F1組合せでの発生率を低下させる上では,ヘテロシスも期待できるが親自殖系統自体の特性も重要である(表1),(表2)。
  2. デント及びフリント種内での分析の結果から、極小雌穂の発生率についての相加、優性効果は、フリント種自殖系統間での遺伝子頻度の差異に起因している(表1)。しかし,フリント種自殖系統にも発生率が低いものが存在する(表2)。
  3. 優性効果があり、狭義の遺伝率が低いことから、極小雌穂の発生率についての特性検定は、固定が進んでから行う必要がある(表1)。固定の進んだ自殖系統での極小雌穂の発生率は晩播栽培することで検定できる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 子実収量・割合の高いF1品種育成の基礎的情報として利用できる。
  2. 子実収量・割合の高いF1品種育成の基礎的情報として利用できる。
図表1 224831-1.JPG
図表2 224831-2.JPG
図表3 224831-3.JPG
カテゴリ とうもろこし 品種

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