品種選定を利用した黄熟期のトウモロコシの硝酸態窒素濃度の低減化

タイトル 品種選定を利用した黄熟期のトウモロコシの硝酸態窒素濃度の低減化
担当機関 草地試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 原田久富美
須永義人
畠中哲哉
発行年度 1997
要約  窒素多施用条件下においても硝酸態窒素を蓄積しにくい品種を利用することにより、黄熟期のトウモロコシの硝酸態窒素濃度を0.1%程度とすることができる。
背景・ねらい 飼料作物体中の硝酸態窒素に起因する反すう家畜の疾病が問題となっている。これまでに、窒素を多量に施用すると黄熟期のトウモロコシの硝酸態窒素濃度は高くなるものの、あるレベルで一定となり、その濃度は急性中毒の基準とされる0.2%以下になることを示した。しかし、慢性中毒に対する危惧からさらに抑制する技術が望まれている。そこで、品種間差を利用し硝酸態窒素濃度を低減化させる方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. トウモロコシの硝酸態窒素濃度の品種間差を解析するために、硝酸態窒素濃度を濃度因子及び希釈因子で解析する方法を開発した(図1)。
  2. 黄熟期のトウモロコシでは硝酸態窒素濃度と濃度因子は高い正の相関関係にあるが、希釈因子との関係は低い。また、希釈因子は乾物率と高い負の相関関係がある(表1)。
  3. 黄熟期のトウモロコシの希釈因子の平均値は2.0以下で、ミルクラインが降下するにつれ低下する(表2)。
  4. 硝酸態窒素濃度、濃度因子の最大値と最小値には2倍以上の差があり、大きな品種間差の存在が認められる(表3)。また、濃度因子の2ヶ年の結果には有意な相関関係があり(r=0.663, n=21, p<0.01)、年次間の再現性も高かった。
  5. 濃度因子の大きくなりにくい品種の場合、窒素多量施用条件においても濃度因子、希釈因子はそれぞれ0.04、2.0程度であるので、硝酸態窒素濃度はせいぜい0.1%程度と計算される。
成果の活用面・留意点
  1. 家畜ふん尿を多量に還元してしまった飼料畑での自給飼料生産に有効である。
  2. 地域間差の検討や評価品種数を増やす必要がある。
図表1 224843-1.JPG
図表2 224843-2.JPG
図表3 224843-3.JPG
図表4 224843-4.JPG
カテゴリ 肥料 飼料作物 とうもろこし 品種

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