| タイトル |
低水分ストレス条件におけるオ−チャ−ドグラス草地の乾物生産モデル |
| 担当機関 |
北海道立天北農業試験場 |
| 研究期間 |
1997~2000 |
| 研究担当者 |
中辻 敏朗
木曽 誠二
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
土壌水分の減少に伴う乾物生産量の低下を、吸水量と水利用効率の減少によって表したオ-チャ-ドグラスの乾物生産モデルは、牧草乾物重、蒸発散量および土壌水分の実測値と良く対応し、低水分ストレスの影響を適切に表現することができる。
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| 背景・ねらい |
北海道北部は5~8月の降水量が300mm程度の少雨地帯である上、草地の50%以上が保水性の小さい重粘土に立地している。そのため、牧草はたびたび干ばつの被害を受ける。 干ばつ被害の軽減・回避策として、耐干性品種の育成・導入、土壌改良、かん水などが考えられる。このような対策を効率的におこなうには、現状の干ばつ強度を定量的に評価する必要があり、それにはモデル化の手法が有効である。そこで、低水分ストレスの影響を考慮したオ-チャ-ドグラス(以下、OG)の乾物生産モデルを開発する。
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| 成果の内容・特徴 |
- モデルは、「土壌中の水移動」、「根の吸水」、「乾物生産」を記述する3つのサブモデルから構成され、厚さ5cmの土層を1単位として計算が進められる(図1)。
- サブモデルの概要:
①「土壌中の水移動サブモデル」:土層間の水ポテンシャル勾配と平均透水係数から、ダルシ-則に基づき土層間の水移動量を算出する。それにより、各土層のマトリック吸引圧(土壌水分)を決定する(図1)。 ②「根の吸水サブモデル」:根の吸水量は、各土層のマトリック吸引圧が0~1000cmの範囲では最大吸水量(気象デ-タと根系分布から算出)に等しく、1000~16000cmでは吸引圧の増加(土壌水分の減少)に伴い直線的に減少するとする(図1)、(図2)。 ③「乾物生産サブモデル」:乾物生産量の抑制は、マトリック吸引圧が1000~3000cmでは根の吸水量の減少により、また3000~16000cmでは根の吸水量の減少に加えて、水利用効率の直線的な低下によっても引き起こされるとする(図1)、(図2)。
- 気象・土壌条件の異なるOG単播採草地(褐色森林土:宗谷管内、灰色台地土:網走管内)の干ばつ年(1993年)におけるシミュレ-ションでは、牧草乾物重、土層別土壌水分および蒸発散量の推移は、両草地ともおおむね実測値と対応する(図3)。また、1992~94年の3年間にわたる牧草乾物重の推定値も、実測値とほぼ一致する。
- 干ばつ傾向にあった2番草生育期間の乾物重推定値が実測値とよく合致する(図3)ことから、モデルは乾物生産に対する低水分ストレスの影響をほぼ適切に表現している。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 本モデルは、寒地重粘土草地の低水分ストレス評価に応用できる。
- 十分な施肥をおこなった年3回刈りのOG単播採草地で得られたものである。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
肥料
寒地
施肥
土壌改良
品種
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