ルーメン発酵におけるチモシーリグニンの構造変化

タイトル ルーメン発酵におけるチモシーリグニンの構造変化
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 近藤恒夫
村井 勝
嶝野英子
発行年度 1997
要約  チモシー繊維のルーメン発酵過程において、リグニンあるいはリグニンー多糖複合体の低分子化、結合フェノール酸の遊離もしくは分解が起こる。また、ルーメン微生物はリグニンの主要な分子内結合のベンジルエーテル結合を解裂する能力を有する。
背景・ねらい  飼料繊維は反芻家畜の栄養および機能性成分として重要視されているにもかかわらず、その構造や反芻家畜消化管における消長に関する知見は今なお乏しい。これを明らかにすることは飼料繊維の精緻な評価のみならず、繊維の利用性の向上をめざした調製・貯蔵法の開発の糸口になると考えられる。本研究では、繊維構成成分のうち難消化性で、多糖の消化阻害成分とされるリグニンについて、ルーメン内での構造変化をチモシー繊維およびモデル化合物を用いて解明する。
成果の内容・特徴
  1. ルーメン発酵リグニンはセルラーゼ処理リグニンに較べて結合フェノール酸が少なく,ウシ消化リグニンに類似した組成を示す(表1)。
  2. ルーメン発酵リグニンはセルラーゼ処理リグニンより分子サイズが小さい(図1)。また、この相違はアルカリ加水分解しても変わらない。
  3. リグニンモデル化合物は in vitro ルーメン発酵下でベンジルエーテル結合が解裂して蛍光を発する(写真1)。
  4. チモシー繊維のルーメン発酵過程で、リグニンあるいはリグニン―多糖複合体の低分子化、結合フェノール酸の遊離もしくは分解が起こる。また、ルーメン微生物はリグニンの主要な分子内結合のベンジルエーテル結合を解裂する能力を有する。
成果の活用面・留意点
  1. 牧草繊維の利用性向上技術開発の基礎資料として活用できる
  2. 構造変化を起こすリグニンの量的割合や構造変化の程度など、定量的な解析についてはさらに検討を要する。
図表1 224857-1.JPG
図表2 224857-2.JPG
図表3 224857-3.JPG
カテゴリ 機能性成分

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