搾乳牛のリン出納からみたリン排泄量低減

タイトル 搾乳牛のリン出納からみたリン排泄量低減
担当機関 草地試験場
研究期間 1997~1999
研究担当者 安藤 貞
西田武弘
石田元彦
発行年度 1998
要約 泌乳前期の乳牛に要求量以上のリンを給与しても,リン摂取増加量の88%は糞へ排泄され,体内へのリン蓄積量,乳量は増加しない。必要以上にリンを給与しないことが乳牛によるリン排泄量低減に有効である。
背景・ねらい リンは環境汚染物質のひとつで,河川,湖沼の富栄養化の原因となるので,家畜から排泄される量の低減が望まれている。乾草やサイレージは穀類等の濃厚飼料に比べて,カルシウムが高く,リンが低い。濃厚飼料のなかにはリン含量が乳牛の要求量の数倍に達するものもある(図1)。乳量が高まり,飼料への濃厚飼料の配合割合が増えているので,要求量以上にリンを給与する可能性が高い。そこで,要求量以上にリンを摂取した乳牛によるリンの利用性と排泄量を調べて,リン排泄量低減のための飼養管理法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. リンを要求量の100から175%の範囲で,要求量以上に給与しても,泌乳前期のホルスタイン種雌の体内にリンは蓄積されない(表1)。
  2. 乳牛によるリン摂取量が高くなると,リンの糞への排泄量と牛乳への移行量が多くなる関係があるが,体内に蓄積されるリンと乳量は必ずしも増加しない(表2)。
  3. リン摂取量の増加に伴って糞への排泄量および牛乳への移行量は直線的に増加する。直線の傾きから,要求量以上にリンを摂取する乳牛では糞への排泄率の88%に比べて牛乳中への移行率は19%と少ないことがわかる(図2)。
  4. 泌乳牛のリン排泄量を低減するには,牧草・飼料作物類の給与量を増やしてリン給与量を抑えるとともに,飼料に必要以上にリン添加剤を加えないことが有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 酪農家がリン添加剤の使用量を適切に管理するという簡単なやり方でリン排泄量の低減が可能で,乳生産の低下の懸念もないので,すぐに実行できる技術である。
  2. 濃厚飼料の多給等のためにリンの要求量は満たしているが,カルシウムが不足する場合に,リン酸カルシウムを飼料に添加すると,ますますリン給与量が多くなる。カルシウム添加には炭酸カルシウムで十分である。
図表1 224931-1.JPG
図表2 224931-2.JPG
図表3 224931-3.JPG
図表4 224931-4.JPG
カテゴリ 飼育技術 飼料作物 乳牛

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