模擬放牧採食装置を用いた放牧牛の採食行動特徴に起因する血液成分変動の試験法

タイトル 模擬放牧採食装置を用いた放牧牛の採食行動特徴に起因する血液成分変動の試験法
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 井村 毅
山田明央
須藤まどか
青木康浩
発行年度 1998
要約 放牧牛の採食行動の特徴である自発的な少量・持続採食は市販機を改良した模擬放牧採食装置で再現できる。本装置を用い飼養した牛の血液成分変動は、インスリン及び遊離脂肪酸において放牧牛の特徴と類似した。
背景・ねらい 放牧牛の採食行動の特徴である自発的な少量・持続採食を舎飼条件で再現する模擬放牧採食装置を用いて、放牧牛の採食行動に起因した血液成分変動の試験法を開発する。採食に伴う生理的変化として、血中インスリン値は舎飼では採食開始後の分泌ピークが報告されているが、放牧牛での試験では採食期にインスリン濃度の明瞭なピークは見られない。また遊離脂肪酸も舎飼で見られる給餌開始直前の上昇とその後の低下が放牧牛では見られない。よって、本装置を用いてこれら放牧地で認められた生理的変化の再現が可能であることを確認する。
成果の内容・特徴
  1. 市販の自動給餌機のプログラムを改良した本装置(図1)は、動物が飼槽内に首を入れている間中ペレット状の飼料(アルファルファ、ビートパルプ及び配合飼料の混合ペレット)を少量持続的(今回の設定はを約20秒かけて100gずつ)に給餌でき、その時刻と量が自動的に記録できる。本装置を設置した10m× 5mのペン内で飼養した際の供試牛の採食持続時間は約2時間である(図2)。
  2. 供試牛の血中インスリン値は高値で推移するが、採食開始後の分泌ピークは見られない(図3)。こうした特徴は、放牧牛に類似する。
  3. 供試牛の血中グルコースは、採食開始前は放牧牛に類似するが、採食期中の顕著な低下は見られない(図3)。
  4. 供試牛の遊離脂肪酸は採食開始後も変動せず放牧牛同様に低い水準で推移する(図3)。このことから、供試牛に対するストレス負荷は少ないと判断される。
  5. 以上のことから本装置を用いることにより、給餌刺激等の人為的影響を軽減し、放牧地での採食行動に類似した自発的な採食開始とエサの少量・持続採食を発現させることが可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 放牧牛の採食行動の生理的背景の解明のための解析的な試験方法として有用である。
  2. ペレット状の飼料を用いた結果である。
図表1 224948-1.JPG
図表2 224948-2.JPG
図表3 224948-3.JPG
カテゴリ アルファルファ

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