シバ×コウシュンシバにおける耐凍性遺伝様式

タイトル シバ×コウシュンシバにおける耐凍性遺伝様式
担当機関 草地試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 蝦名真澄
荒谷 博
小林 真
中川 仁
鶴見義朗
発行年度 1999
要約 シバ属種間雑種後代の遺伝解析により、耐凍性の遺伝様式について情報を得た。 F2世代におけるQTL解析及び分離比によって、耐凍性と連鎖する主要なQTLマーカーの存在が明らかになった。
背景・ねらい シバ属(Zoysia spp.)は秋から春にかけて休眠することによって冬期の低温を回避しうる C4植物であるが、晩秋や早春の天候が不順であった場合や休眠の浅い系統においては凍害が発生することがある。このため、耐凍性の強い品種育成が望まれているが、遺伝様式に関する知見は得られていなかった。
本研究では、シバ属の種間雑種後代に得られた変異を解析し、遺伝様式に関する情報を得ることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 耐寒性に強弱の差のあるシバ「P29」とコウシュンシバ「P279」間で交雑を行い、得られたF1・F2集団内の耐凍性の変異を解析した。
  2. F1集団ではヘテロ性の高い花粉親の形質の分離が顕著に見られ、F2集団ではホモ性の高い種子親形質の分離が認められた。
  3. 1999年12月に採取した匍匐茎を-10℃と-90℃で凍結し、それぞれの凍結時に浸出する電解質を電気伝導度(EC)によって測定し、以下により凍害指数を求めた。
    凍害指数= (-10℃でのEC/-90℃でのEC)×100
  4. 得られたデータを、AFLPマーカー及びRFLPマーカーを用いて作成した連鎖地図(平均10cM間隔)と照合・検討したところ、1つのマーカーとの整合性が示され、F2集団は耐凍性が高いグループ(A_)と低いグループ(aa)がほぼ3:1に分離した(表1、図2)。
  5. よって、耐凍性と連鎖する主要なQTLマーカーが存在することが明らかになった。
成果の活用面・留意点
  1. シバ属の耐凍性育種の基礎的知見として有効に活用できる。
  2. シバ属内の他種・種間雑種においては未確認である。
図表1 224965-1.jpg
図表2 224965-2.jpg
カテゴリ 育種 耐寒性 凍害 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる