トウモロコシ圃場における土壌中のイチビ種子の垂直分布と実生の発生

タイトル トウモロコシ圃場における土壌中のイチビ種子の垂直分布と実生の発生
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1993~2001
研究担当者 的場和宏
田村良文
伏見昭英
発行年度 1999
要約 飼料用トウモロコシ圃場におけるイチビの出芽数と土壌中のイチビ種子密度は比例する。土中種子の垂直分布は作土層の範囲で均等であるが、出芽した実生の大部分は浅い土層の種子から発生し、発芽しなかった種子は土壌中に生存したまま残存する。
背景・ねらい イチビ(Abutilon theophrasti Medic.)の防除を難しくしている要因の一つに、種子に休眠性があり土壌中で埋土種子として長期間(20年以上)生存可能であることがあげられる。飼料用トウモロコシ圃場におけるイチピの発生様相を明らかにし、防除の基礎データとするため、数年前からイチビが発生している圃場の土壌中のイチピ種子の状態とその種子からのイチビの出芽について検討する。
成果の内容・特徴
  1. イチビの出芽数と埋土種子密度は比例し、作土層に存在した種子の約15%が出芽する。(図1、表1一出芽後①・②)。
  2. イチビが結実し種子の落下が数年間続いたトウモロコシ圃場では、土壌中のイチビ種子は耕起作業により作土層でほば均等に分布する。(表1-出芽前)
  3. イチビの実生の出芽は大部分(94%)が深さ6cmより浅い土層から出芽し、12cmより深い土層からは出芽しない。(図2)
  4. 地表面から深さ10~20cm、20~30cmの層の埋土種子の分布割合は出芽前後で大きくは変わらないが、10cmより浅い層の埋土種子は減少し、その減少分は出芽した実生の数にほば一致する。(表1)
  5. 土中から取り出した種子は休眠打破処理(65℃熱水15分浸漬)を行うと9割近くが発芽した。よってイチビの発生している圃場においては、出芽した実生数の5倍以上の種子が土壌中に存在し、発芽能力を保ったまま残存する(表1一出芽後②)。
成果の活用面・留意点
  1. イチビの防除おける、侵入初期の防除の重要性を指導する際の指針とする。
  2. 出芽深度は土壌等の条件により異なる可能性がある。
図表1 224969-1.jpg
図表2 224969-2.jpg
図表3 224969-3.jpg
カテゴリ 病害虫 飼料用作物 とうもろこし 防除

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