小区画分散地を対象とした放牧作業実態

タイトル 小区画分散地を対象とした放牧作業実態
担当機関 草地試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 瀬川 敬
飯嶋 渡
発行年度 1999
要約 荒廃地などの小区画分散地を対象とした放牧において、放牧地の造成や家畜の移動・捕獲運搬車、給餌車を開発し移動放牧を行った。作業時間は4ブロック2.48ha、8~10頭の親子放牧と育成放牧で206時間であった。草種はオーチャードグラスとペレニアルライグラスの混播で、180日前後、600~800頭/haの放牧であった。子牛の増体はDGで雌が0.71kg、雄で0.85kgであった。
背景・ねらい 未利用荒廃地の放牧による活用が期待されている。しかし、わが国の国土条件では小区画分散地なため容易に放牧を取り入れることができない。この様な場所で放牧を実現するため、水田や畑の荒廃地を対象に造成を行い、想定する放牧作業体系に必要な牧柵設置、家畜運搬車、給餌車などの個別技術を組み合わせ、放牧作業実態を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 荒廃地の造成は雑草地では刈り払い機で刈り取り後耕起、施肥、播種、鎮圧する方法で行った。雑木林地は伐木、搬出後刈り払い焼却し、牛を入れて給餌しながら土地を撹乱しつつ播種、掃除刈りする方法で行った(表1)。
  2. 放牧最小単位を2頭とし、集積地と分散地のブロックを単位に牛を増減する方法と給餌車で給餌する方法で、転牧を行いながら放牧を継続した。放牧実績は2ヶ所の集積地、2グループの分散地について表2に示した。現存量は転牧時毎の5cm刈取り量で示した。牧養力は親子放牧でもあり、成牛の頭数で示した。放牧期間中の子牛の増体がDGで雌が0.71kg、雄で0.85kgであった。
  3. 牧柵は電気柵を用い、給水は放牧地毎に運搬した。家畜移動は運搬車で行った。一人でも繋留無しで可能であった。補助飼料給餌は貯槽型給餌車(容量50頭・日)を用い、オーチャードグラスの1番草乾草を水田集積地の入牧時、水田分散地には7月の端境期、畑分散地には9月、畑集積地の造成時に各1台給餌した。
  4. 作業の種類と時間は図1に示す通りで、99年度は206時間の実作業であった.分散地では移牧に、水田では牧柵下や法面の刈り取り給餌に多くの労力を必要とした。これは牧養力にも寄与した。
  5. オーチャードグラスとペレニアルライグラスの混播草地では4月下旬から継続して180日前後、600~800頭/haの放牧ができた。
成果の活用面・留意点
  1. 水田や畑の荒廃地を対象に家畜移動車や給餌車を取り入れ、その作業実態及び放牧実績を把握したものである。
  2. 生産性や経済性についての検討が残されている。
図表1 225006-1.jpg
図表2 225006-2.jpg
図表3 225006-3.jpg
カテゴリ 病害虫 雑草 水田 施肥 播種

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