増幅断片長多型(AFLP)法を用いたイタリアンライグラス高密度連鎖地図

タイトル 増幅断片長多型(AFLP)法を用いたイタリアンライグラス高密度連鎖地図
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 間野 吉郎
秋山典昭
小松敏憲
杉田紳一
藤森雅博
平田球子(日本草地畜産種子協会)
発行年度 2000
要約 イタリアンライグラスの高密度連鎖地図を、増幅断片長多型(AFLP)法を用いて作成した。この連鎖地図は、イタリアンライグラスの半数染色体数(n=7)と等しい連鎖群数であり、イタリアンライグラスのゲノム解析に有効に利用できる。
背景・ねらい
 牧草類でのDNAレベルでの解析は、他殖性であることや倍数性のものが多いなど様々な理由で難しく、主要作物と比較して遅れている。イタリアンライグラスは、日本で最も重要な牧草の一つであり、二倍体であることから、寒地型牧草におけるDNA解析のモデル植物として重要である。そこで、今回信頼性が高く、効率良く多型を検出できる手法であるAFLP法を用いて、イタリアンライグラスDNA解析の基礎となる高密度連鎖地図の作成を行った。
成果の内容・特徴
  1. イタリアンライグラス連鎖地図作出のために、ワセアオバとワセユタカの交配から由来した2クローンの単交雑により作出した124F1個体を解析集団として用いた。
  2. 上記集団を用いて、102プライマー組み合わせで得られた合計1138のAFLPマーカー情報を用いてJoinMap (Version2.0)で解析を行った。
  3. 種子親に由来するマーカーにより769.9cMを網羅する連鎖地図を、花粉親に由来するマーカーから735.8cMを網羅する地図を、それぞれ作成することができた。
  4. また、両親に共通してみられるマーカー(Aa×Aaで後代で3:1に分離するもの)から両者の連鎖群を対応づけることができた(図1)。
  5. 今回作成した連鎖群は、イタリアンライグラスの半数染色体数(n=7)と等しく、イタリアンライグラスゲノムの大部分を網羅する地図であると考えられた。
成果の活用面・留意点
  1. この集団を用いることにより、様々なDNAマーカーの連鎖群を特定できる。
  2. AFLPのマーカー情報は、他の集団に直接利用することは難しい。SSRマーカーなどをこの集団で解析しているので、他の集団で利用するためには、これらのマーカーを利用する必要がある。

カテゴリ イタリアンライグラス 寒地 DNAマーカー

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