イタリアンライグラス栽培圃場における立枯れ症の発生条件

タイトル イタリアンライグラス栽培圃場における立枯れ症の発生条件
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 井上 興
角田佳則
福原宏行
発行年度 2000
要約 イタリアンライグラスを早播きした場合の立枯れ症の発生は気温との相関が高く、播種時期の平均気温が20℃付近まで低下すると発生は減少する。
背景・ねらい
イタリアンライグラスでは、年内収穫または翌春の収量増加を目的として早播きすると、立枯れ症が多発し被害が甚大である。しかしながら、立枯れ症の発生生態については不明な部分が多く、現場での対策を困難なものとしている。そこで、播種期や品種が異なる場合の発生実態を把握するとともに発生要因を解析し、防除及び抵抗性育種のための資料を得る。 
成果の内容・特徴
  1. 圃場における播種1か月後の立枯れ症の発生株率は気温との相関が高く、中でも播種4日後から13日後までの10日間の最低気温との相関が高い。また、品種「ミナミアオバ」の相関係数が0.727と最も高く、品種間差が存在する(表1)。
  2. 立枯れ症の発生は、最低気温及び平均気温が上昇するほど増加するが、最高気温が30℃以上になると減少する(図1)。これはいもち病菌の伸長速度の傾向に一致する。
  3. 播種時期の平均気温が20℃付近まで低下すると立枯れ症の発生は減少する。また、葉いもち病の発生も減少する(図2)。
  4. 立枯れ株から検出される糸状菌の中では、いもち病菌の検出率が発生株率と最も相関が高く、本菌の立枯れ症への関与が示唆される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 気象要因と発病との解析結果は、品種抵抗性のデータやメッシュ気候図とあわせて播種時期の選択等の耕種的防除に応用できる。立枯れ症の発生地域では平均気温が20℃以下になる時期に播種することが望ましい。
  2. いもち病菌が立枯れ症の主要因のひとつと推定されるが、その他の検出菌とともに病原性の検討が必要である。

カテゴリ 病害虫 育種 イタリアンライグラス いもち病 抵抗性 播種 品種 防除

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