除草剤の播種前雑草処理を用いたケンタッキーブルーグラス放牧草地の造成法

タイトル 除草剤の播種前雑草処理を用いたケンタッキーブルーグラス放牧草地の造成法
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 2000~2003
研究担当者 高橋俊
三枝俊哉
手島茂樹
小川恭男
発行年度 2000
要約 ケンタッキーブルーグラスを、除草剤の播種前雑草処理を用いて8月に30kg/ha播種し、ケンブリッジローラで鎮圧すると安定的に造成できる。この方法でシロクローバと混播すると、翌年7月からは毎月ヘクタール当たり80-100CD前後の牧養力を期待できる。
背景・ねらい
 蹄傷の著しい軽種馬等の放牧草地では、根張りによる土壌保全機能に優れるケンタッキーブルーグラス(KB)が基幹草種として望まれている。しかし、本草種は初期生育が劣るため、長草型草種に比べて造成時に雑草に侵入されやすいという難点を有するので、確実に造成するための方法を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 芝生の造成では100kg/ha以上の大量の播種が行われるが、播種量が多いと面積当たりの根重が増大する反面、個体当たりの根重の発達が抑制される(図1)。
  2. 放牧には個体当たりの地下部の早期充実が重要である
    ので、30kg/ha程度の少ない播種量で造成するため、北海道において高い雑草発生抑止効果で知られるグリホサート系除草剤の播種前雑草処理(播種床造成後一定期間放置して発生した雑草に対し、播種日の当日~10日前の期間中に除草剤を散布する方法)を導入する。本法は、エゾノギシギシなど多年生雑草の発生抑止効果と翌春の牧草乾物重において、播種当年の掃除刈り処理に勝る(図2)。
  3. 芝生の造成では鎮圧にしばしば平滑ローラが使用されるが、播種量が30kg/ha程度と少ない条件における発芽にはケンブリッジローラの方が確実である(図3)。
  4. 本法を用いてKBを8月に30kg/ha播種し、シロクローバを1kg/ha混播すると、播種翌年から日乾物重増加速度3-4g/m2/日の生産性が期待できる。播種翌年の放牧開始は、地下茎の発達した7月には可能で、以後の牧養力は毎月80-100CD程度である(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 蹄傷等の著しい草地に対し、早期に地下部の充実を図る場合の造成に適用できる。
  2. 播種量、播種時期、生産性を示す値は北海道中央地帯の褐色火山性土における実験結果に基づく。

カテゴリ 病害虫 雑草 さやいんげん 除草剤 播種

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