ヒツジはVFAとアンモニアの吸収量の変化で飼料フレーバーへの嗜好性を学習する

タイトル ヒツジはVFAとアンモニアの吸収量の変化で飼料フレーバーへの嗜好性を学習する
担当機関 草地試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 井村 毅
山田明央
須藤まどか
塚田英晴
発行年度 2000
要約 飼料摂取後の血液中へのプロピオン酸、酢酸およびアンモニアの吸収量の増加が、ヒツジが飼料フレーバーに対する好き嫌い(嗜好性)を学習するための生理的要因となる。
背景・ねらい
 家畜の餌に対する好き嫌い(嗜好性)は、学習によってある程度変化することが知られている。この学習は、飼料から得られる感覚刺激を条件刺激、摂取後の生理的変化を無条件刺激とする条件づけと考えられているが、反芻家畜の嗜好性学習のメカニズムについては、未だ不明の点が多い。そこで、VFAおよびアンモニアの消化管からの吸収が飼料の化学的感覚刺激(フレーバー)に対する嗜好性学習の無条件刺激となっているか否かを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 飼料へのフレーバー添加とプロピオン酸ナトリウムの腸間膜静脈内注入による条件づけ(図1)によって、飼料フレーバーに対する嗜好性は高まり(図2)、この学習効果は条件づけ終了後も20日間持続する。
  2. 酢酸ナトリウム注入による条件づけでも、プロピオン酸ナトリウムと同様の嗜好性学習が認められるが、その効果は等モルのプロピオン酸ナトリウムと比較して弱い。
  3. 塩化アンモニウムの頸静脈内注入による条件づけでは、飼料フレーバーに対する嗜好性が低下し(図3-a)、腸間膜静脈内注入でも同様の傾向が認められる。しかし、これと等モルの塩化ナトリウム注入では嗜好性が変化しない(図3-b)。したがって、嗜好性低下の原因は血中アンモニアである。
成果の活用面・留意点
  1. 選択採食行動の解析とその制御技術開発のための基礎的知見である。
  2. 本実験における各物質の注入量・速度は、生理的変動範囲内である。また、ここでの「嗜好性」とは採食開始初期の採食量として2種のフレーバーを比較した値(図1参照)である。

図表1 225080-1.png
図表2 225080-2.png
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