立体異性除草剤メトラクロールの生物活性と土壌中の動態

タイトル 立体異性除草剤メトラクロールの生物活性と土壌中の動態
担当機関 農業環境技術研究所
研究期間 1992~1996
研究担当者
発行年度 1994
要約 畑地除草剤メトラクロールのHPLCによる光学分割法を確立し、4種の異性体の立体構造を決定した。殺草活性は不斉炭素原子による立体構造に依存しRS体とSS体が高く、土壌残留性は立体異性体間で異なることを明らかにした。
キーワード 畑地除草剤、光学分割法、立体構造、殺草活性、不斉炭素原子、土壌残留性
背景・ねらい 近年、立体異性体が存在する複雑な化学構造の農薬が開発されてきているが、その多くは、各異性体が分離されないラセミ体として使用されている。異性体間では生物への作用性に著しい差があることから、効力の低い異性体を除去し効力の高い異性体のみを使用することが環境保全の視点からも望まれる。そこで、4種の異性体から構成される除草剤メトラクロールを光学分割し、各異性体について立体構造を決定し、殺草活性と土壌中での動態を解析した。
成果の内容・特徴
  1. 4種の異性体からなるメトラクロール(図1)は、HPLCに2種類の光学異性体分離用充填剤を使用することによって完全に分割された(図2)。
  2. 各異性体のメタノール溶液の旋光度(365nm)と文献値(H. Moser et al.)から、分割した異性体の立体構造が決定され、製剤に含有する各異性体の混合比がRR:RS:SR:SS=34:30:19:17と分析された。
  3. イネ茎葉及び根の伸長は、RS、SS体で強く抑制され、メトラクロールの殺草活性は不斉炭素原子に由来する立体構造に影響されることが明らかになった(図3)。
  4. 製剤で処理したメトラクロールは土壌中で処理後経過日数の増加に伴い消失したが、60日後の各異性体の土壌残留比は処理製剤の値とは異なりRR:RS:SR:SS=42:19:24:15であった(図4)。このことから、土壌中での分解に立体構造が寄与していることが示唆された。
成果の活用面・留意点 立体異性体を利用することの有用性が確認された。農薬として使用するためには、より有効な異性体のみを効率的に得る不斉合成法を検討し、大量合成法を確立することが必要である。
図表1 225104-1.gif
図表2 225104-2.gif
図表3 225104-3.gif
図表4 225104-4.gif
図表5 225104-5.png
図表6 225104-6.png
図表7 225104-7.png
図表8 225104-8.png
カテゴリ 病害虫 除草剤 農薬

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