蔓性マメ科植物ヘアリーベッチの雑草抑制作用

タイトル 蔓性マメ科植物ヘアリーベッチの雑草抑制作用
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約  蔓性マメ科植物ヘアリーベッチが示す強い雑草抑制作用は,土壌表面の被覆による光の遮蔽効果だけでなく,根や茎葉の浸出成分による他感作用によるところが大きい。
背景・ねらい  蔓性のマメ科植物ヘアリーベッチ(Vicia villosa ROTH.)は,欧米では牧草や緑肥あるいは果樹園の下草として広く栽培されている。本植物は春先の生育が旺盛で雑草抑制力に優れるため,近年増加の一途をたどっている休耕地や耕作放棄地の地力維持と雑草防除に有用な植物として日本でも普及しつつある。本研究の目的は,ヘアリーベッチ(以下ベッチと略)が示す強い雑草抑制作用のメカニズムを明らかにすることにある。
成果の内容・特徴
  1. 傾斜10度の均一畑圃場において,斜面上方にベッチが栽培されている区とされていない区(各区10×10m)の雑草量及びその植生を比較すると,前者では雑草量が区全域に渡って少なく,特にノゲシやヨモギなどのキク科雑草の減少が著しい(図1)。
  2. ベッチの根および地上部の影響を調べる栽培装置(図2)を用いて雑草の生育に対する作用を見ると,本植物の根,地上部両方の影響を受ける場合(図2-b区),春・夏雑草の生育は完全に抑えられ,また根だけの影響を受ける場合(図2-c区)においても極めて強い抑草作用が認められる(図3)。
  3. ベッチ根を抜き取った跡の川砂を水洗し,再度ポットに充填して雑草を播種すると,ハコベやメヒシバの生育が悪く,砂吸着性成分による抑草作用が観察される。
  4. 栽培装置の底から流出する水を集め,雑草を播種したポットに定期的に潅水すると,スズメノテッポウの生育はベッチ栽培区の浸出水により著しく抑制を受ける。
  5. ベッチ栽培土壌からの浸出水を分画すると,酸性物質を含む画分が特に強い抑草作用を示し,濃度依存的にキク科雑草ノゲシの発芽を阻害する(図4)。
  6. 以上,圃場や現地で観察されるベッチの雑草抑制作用には,土壌表面被覆による遮光効果だけでなく,地上部茎葉や根から雨水に溶けて浸出してくる他感物質も大きく関係していることを明らかにした。
成果の活用面・留意点
  1. 他感物質は複数存在し,雑草種によりそれらに対する感受性が異なる。
  2. 圃場ではベッチが7月に枯れた後,1~2カ月すると雑草が生え始めること,後作への影響は認められないこと等から,吸着性の抑草成分は土壌中に長く留まらない。
図表1 225217-1.jpg
図表2 225217-2.jpg
図表3 225217-3.jpg
図表4 225217-4.jpg
カテゴリ 病害虫 きく 雑草 播種 よもぎ

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