アジア・太平洋外来生物データベースシステムの構築

タイトル アジア・太平洋外来生物データベースシステムの構築
担当機関 生物環境安全部
研究期間 2001~2005
研究担当者 岡部郁子
山中武彦
小沼弘明
松井正春
西山幸司
発行年度 2004
要約 アジア・太平洋諸国の農業生態系に生息する外来生物を対象とするリレーショナルデータベースシステムを構築した。本データベースでは,外来生物の分類名,定着状況,分布拡大,経済的生態的被害,繁殖・生育特性,防除対策,文献,写真などの入力,検索および閲覧をインターネットにより行うことができる。
背景・ねらい 近年,世界的な物や人の移動が著しく拡大するとともに,世界各国で昆虫を含む動物,植物,微生物などの侵略的外来生物が増加し,これらは農作物に直接被害を与えるだけでなく,固有の生物多様性や生態系に対する深刻なかく乱要因にもなっている。そのため,これら外来生物の侵入・蔓延防止と防除は世界的な緊急課題となっている。アジア・太平洋諸国においても,外来生物がもたらす被害は大きく,この地域における外来生物の動態を把握し,蔓延防止および経済的生態的被害軽減策に関する情報を蓄積する必要がある。そのために,外来生物に関わる最新情報をデータベース化し,インターネットによる情報の共有化を推進する。
成果の内容・特徴
  1. 本データベース(名称:Asian-Pacific Alien Species Database(APASD))システムは,大量のデータを比較的容易に入力,検索,閲覧できるWebアプリケーションであり,サーバーサイド言語(PHP)を使って,リレーショナルデータベース(Postgre SQL)と連携し,動的にコンテンツを生成する汎用性の高い構造となっている。
  2. 本データベースシステムは,インターネットによって自由に閲覧できる一般閲覧者用機能,データを入力する登録者用機能,および全体を統括する管理者用機能(生物名などのマスターテーブル管理,パスワード管理,仮登録されたデータを精査して本登録システムへ移す管理など)に分割して制御されている(図1)。
  3. 本データベースに掲載する対象種は,アジア・太平洋諸国の農業生態系に生息する外来生物(植物,動物,微生物等)とし(図2),アジア地域を中心にデータを収集し,英語で記述している。
  4. 本データベースシステムには,外来生物の分類名,定着,分布拡大,経済的生態的被害,繁殖・生育特性,防除対策,文献,写真などを入力し,検索および閲覧ができる。
  5. 同一の外来生物についての各国データの比較は,検索項目ごとに一般閲覧用画面の同一ページに表示され,閲覧することができる(図3)。
  6. 本データベースの構築と情報収集にあたって,2003年および2004年に外来生物とデータベース構築に関する国際共同ワークショップを開催した。
成果の活用面・留意点
  1. 本データベースシステムへの入力データの充実が今後の課題であり,国内外の専門家の協力を仰ぐとともに,各国の植物検疫機関における事実確認との整合性を取りながら進めていく必要がある。
  2. 本データベースシステムには,画面の見出しを翻訳することによって各国語版に変換できるバージョンも用意されているので,必要に応じて各国に提供できる。
  3. 本データベースのURLは,http://apasd-niaes.dc.affrc.go.jp/ である。
図表1 225408-1.png
図表2 225408-2.png
図表3 225408-3.png
カテゴリ 病害虫 植物検疫 データベース 繁殖性改善 防除

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