ディルドリンを吸収しにくいカボチャ台木を用いてキュウリ果実中の残留濃度を低減

タイトル ディルドリンを吸収しにくいカボチャ台木を用いてキュウリ果実中の残留濃度を低減
研究期間
研究担当者 有機化学物質研究領域 大谷卓
清家伸康
発行年度 2006
要約 キュウリの接木栽培において、土壌中に残留した殺虫剤ディルドリンの吸収性は台木用カボチャ品種の影響を強く受けます。低吸収性の台木品種を選ぶことにより、接木キュウリの果実中ディルドリン濃度を30~50%程度低減することができます。
背景・ねらい ディルドリンは土壌中での消失速度が極めて遅く、国内で使われなくなってから30年以上経過(1975年に農薬登録が失効)した現在でも農地に残留しています。昨今、いくつかの地域で生産されたキュウリ果実から、残留基準値(0.02ppm)を上回るディルドリンが検出され、産地では出荷の自粛等の緊急対応を余儀なくされています。
そこで、品種によりディルドリンの吸収に違いがあることに着目し、低吸収性品種の利用によるキュウリの果実中残留濃度の低減効果を検討しました。
成果の内容・特徴 わが国のキュウリ生産は、カボチャを台木とした接木栽培が主流です。そこで、ディルドリン汚染土壌を用いて、キュウリ栽培で一般的に用いられている台木用カボチャ10品種、および穂木用キュウリ23品種の幼植物を栽培し、茎葉部のディルドリン濃度を比較したところ、それぞれ約2~3倍の品種間差が認められました(図1)。
ディルドリンの吸収性が異なる台木用カボチャ3品種および穂木用キュウリ2品種を選び、6通りの穂木/台木の組み合わせで作成した接木キュウリを2種類の汚染土壌で生育させ、果実中のディルドリン濃度を比較しました。その結果、接木キュウリのディルドリンの吸収は、穂木品種の違いによる影響は小さく、台木品種の影響を強く受けていることが明らかになりました。「ゆうゆう一輝黒タイプ」のような低吸収性の台木を用いると、いずれの穂木品種においても、高吸収性の台木を用いた場合に比べ、果実中ディルドリン濃度は30~50%程度低減されました(図2)。
図表1 225456-1.jpg
カテゴリ 病害虫 かぼちゃ きゅうり 出荷調整 台木 農薬 品種

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