日本における導入前雑草リスク評価法の構築

タイトル 日本における導入前雑草リスク評価法の構築
研究期間
研究担当者 榎本敬(岡山大学)
黒川俊二((独)農業
山下直子((独)森林総合研究所)
食品産業技術総合研究機構)
生物多様性研究領域 西田智子
浅井元朗
発行年度 2008
要約 新たに日本へ導入される植物を対象に、日本で雑草化する植物とそうでない植物を判別する手法をオーストラリア式雑草リスク評価法を基に構築しました。本評価法で雑草と判別された植物を導入しないことで、雑草害を未然に防ぐことに役立ちます。
背景・ねらい
食料生産や観賞等を目的に導入される外来植物は、利益をもたらしてくれる反面、雑草化し被害を生じる場合もあります。外来植物による被害が発生した後では、防除費用が膨大になるため、導入する前に雑草化の恐れが高い植物を予測し、導入を避けることが最も効率的な防除法です。そのため、国際的に定評のあるオーストラリア式雑草リスク評価法を基に、日本に適用できる導入前雑草リスク評価法を構築しました。

成果の内容・特徴 オーストラリア式雑草リスク評価法は植物に関する49の質問からなり(図1 植物チェックシート)、雑草化しやすい植物には高い Weed Risk Assessment (WRA)スコアがつきます。日本にある259種の植物を専門家に雑草とそうでない植物に区分してもらい、この判断を真の値とし、WRAスコアでこの判断が再現できるかを調べました。そのための分析方法として、スクリーニング法の能力を調べるためによく使われるReceiver Operating Characteristic (ROC)カーブ分析という方法を用いました。
基準点より大きなWRAスコアを持つ植物を雑草と判別すると、基準点の決め方によって雑草でない植物が間違って雑草と判別される割合(A)と雑草が正しく雑草と判別される割合(B)の両方が変化します(図2)。 ROCカーブ分析は、その変化について、Aを横軸に、Bを縦軸にとって表し、適切な基準点を導く方法です。基準点として、ここでは雑草もそうでない植物も同程度に良く判別する点を求めました。その結果、基準点はWRAスコア10となりました(図3)。この値を基準点にすると、専門家が雑草と区分した植物の9割弱、雑草ではないとした植物の8割弱が本評価法で正しく判別できました。
図表1 225527-1.jpg
図表2 225527-2.jpg
カテゴリ 病害虫 雑草 評価法 防除

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