牛クッパ−細胞の反応解析による内因性エンドトキシンの毒性評価法の開発

タイトル 牛クッパ−細胞の反応解析による内因性エンドトキシンの毒性評価法の開発
担当機関 家畜衛生試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約  内因性エンドトキシンに対する牛初代培養クッパー細胞の反応を,RT-PCR法を用いて解析した。牛クッパー細胞は,大腸菌エンドトキシン及び牛第一胃液由来内因性エンドトキシン刺激により,炎症性サイトカイン(TNFα, IL-6, IL-1β, IL-1α)及び誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のmRNAを発現した。従って,牛に対する内因性エンドトキシンの毒性発現における,牛クッパー細胞由来炎症性サイトカインや一酸化窒素の関与が示唆された。
要約(英語) We examined the effect of rumen bacterial endotoxins on the function of cultured bovine Kupffer cells. By the stimulation of endotoxins, Kupffer cells expressed the mRNAs of inflammatory cytokines (IL-1α, IL-1β, IL-6, TNFα), and inducible nitric oxide synthetase (iNOS). This indicates the participation of inflammatory cytokines and nitric oxide derived from Kupffer cells in the expression of toxic effects of endotoxins.
keyword; endotoxin, Kupffer cell, inflammatory cytokine, iNOS
背景・ねらい  牛の第一胃内で過剰に生成される内因性エンドトキシンは,肝障害,血液疾患,消化管障害など様々な疾病を引き起こして,畜産物生産に量的,質的に重大な阻害をきたすと考えられている。内因性エンドトキシンの毒性は,肝臓との相互作用で発現すると考えられているが,その詳細なメカニズムは解明されていない。そこで,牛初代培養クッパー細胞を用いて,内因性エンドトキシンの毒性評価法の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 遠心エルトリエーション法で分離した牛クッパー細胞の収量は1.5x106 cells / g肝,生存率98%以上であった。また95%以上の細胞がα-ナフチル酪酸エステラーゼ陽性,CD68陽性で分化型マクロファージと思われた(図1,2)。
  2. 牛初代培養クッパー細胞を,大腸菌 (O111:B4)由来エンドトキシン(1μg/ml) で刺激し,炎症性サイトカインおよび一酸化窒素合成酵素 (iNOS) 遺伝子の発現を解析した。エンドトキシンによる刺激を受けたクッパー細胞では,特異プライマーを用いたRT-PCR法によりTNFα, IL-1β, IL-1αおよび iNOSmRNAの発現が認められた。IL-6については,未刺激時でも少量のmRNAの発現が見られたが,エンドトキシン刺激によってmRNA発現が増強された(図3)。
  3. 牛の第一胃液から粗抽出した内因性エンドトキシン(1μg/ml)でクッパー細胞を刺激したところ,大腸菌由来エンドトキシンと同様に,TNFα, IL-6, IL-1β, IL-1α および iNOSmRNAの発現が誘導された(図3).
成果の活用面・留意点
     牛に対する内因性エンドトキシンの作用機序に,クッパー細胞で産生される炎症性サイトカインや一酸化窒素の関与が示唆された。牛クッパー細胞を用いての,RT-PCR法による遺伝子発現解析は,牛の消化管内で産生される内因性有害物質の毒性評価法の一つになり得ると考えられる。
図表1 225621-1.JPG
図表2 225621-2.JPG
図表3 225621-3.JPG
カテゴリ 評価法

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