高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスはマウス継代でその病原性が増強する

タイトル 高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスはマウス継代でその病原性が増強する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2003~2007
研究担当者 岡松正敏
今田忠男
山口成夫
真瀬昌司
谷村信彦
塚本健司
発行年度 2006
要約  日本で分離した高病原性鳥インフルエンザウイルス(山口県分離株)はマウスに1代継代することによりマウス病原性が著しく上昇する。病原性の変化にはPB2タンパクの627番目のアミノ酸の置換が関与していることが示唆される。
キーワード 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1、変異、マウス
背景・ねらい  わが国で2004年に79年ぶりに高病原性鳥インフルエンザが発生した。原因となったH5N1亜型ウイルスはアジアを中心に鳥類のみならずヒトにも感染し、これまで150人以上の死者が報告されている。このようにH5N1亜型ウイルスはほ乳類にも感染することから、そのほ乳類病原性を解析することは重要である。インフルエンザウイルスでは、ほ乳類病原性解析にマウスが使用されることから、山口県分離株の病原性評価をマウスにて行った。
成果の内容・特徴
  1. 2004年山口県分離株は馴化を必要とせずにマウスの肺でよく増殖する。その50%マウス最小致死量は約5 X 105 EID50である。
  2. ウイルス接種後死亡したマウス個体の脳から回収したウイルスは、PB2タンパクの627番目のアミノ酸がグルタミン酸からリジンに変異している。
  3. リジンに変異したウイルス(マウス変異株)の50%マウス最小致死量は8.9 EID50で元株に比べマウス病原性が著しく上昇している。
  4. 接種マウスにおけるウイルス体内分布検査では、マウス変異株は肺や神経組織におけるウイルス力価が元株に比べ高い(表)。
  5. マウス変異株は、マウスの肺(図)や神経組織に重度の病変を起こす。
成果の活用面・留意点  日本で分離されたH5N1亜型ウイルスはマウス継代でその病原性が容易に増強する。また、その変異は1997年に香港で分離されたH5N1亜型ウイルスと同様、PB2タンパクの627番目のアミノ酸の置換が重要であると考えられる。ほ乳類に対する潜在的な病原性を評価する上で、マウスモデル系は有用と考えられる。
図表1 225844-1.jpg
図表2 225844-2.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる