2005年に茨城県で分離されたH5N2鳥インフルエンザウイルスの性状

タイトル 2005年に茨城県で分離されたH5N2鳥インフルエンザウイルスの性状
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2005~2006
研究担当者 岡松正敏
山口成夫
山本佑
真瀬昌司
西藤岳彦
中村菊保
塚本健司
発行年度 2007
要約  日本で分離されたH5N2鳥インフルエンザウイルスは、中米で流行していたウイルスを起源とし、ニワトリに対して臨床症状を示さずに容易に伝播するウイルスである。
キーワード 鳥インフルエンザウイルス、H5N2、ニワトリ、順化
背景・ねらい  2005年6月、茨城県下でH5N2鳥インフルエンザウイルスA/chicken/Ibaraki/1/2005 (H5N2)が分離された。本研究では、本ウイルスの性状および進入経路を明らかにするため、遺伝子解析を行うとともに、ウイルスの感染拡大防止に資することを目的として、鶏への感染性、伝播性および抗体持続期間を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 遺伝子解析の結果、一連の発生で分離された計16株のウイルスの塩基配列の相同性は互いに98%以上一致していた。
  2. 遺伝子系統樹解析により、本ウイルスのHA遺伝子は中米で流行したウイルスA/chicken/Guatemala/45511-3/00 (H5N2)と最も相同性が高く(97.5%)、過去に日本で分離されたウイルスとは異なったクラスターに属した(図1)。
  3. 本ウイルスを実験感染させたニワトリは、臨床症状を示さず、呼吸器から高率にウイルスが排泄され(図2)、同居伝播やケージ間伝播を容易に起こす。
  4. 本ウイルスを感染させたニワトリは、寒天ゲル内沈降反応では3ヶ月以上、赤血球凝集阻止反応を利用した検査では1年間と長期間にわたり血液中に抗体が検出される。
成果の活用面・留意点
  1. 分離ウイルスの分子疫学解析は、農水省感染経路究明チームによる感染経路究明に貢献した。
  2. 抗体検査法の有用性が確認され、本病に対する全国での清浄化対策に利用された。
  3. 本ウイルスのような、弱毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルス感染では、臨床症状のみでの罹患鶏の発見は困難であり、全国で行われている高病原性鳥インフルエンザ浸潤調査の重要性を確認した。
図表1 225867-1.gif
図表2 225867-2.jpg
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