牛アミロイド線維投与による続発性アミロイド症実験モデル動物の作出

タイトル 牛アミロイド線維投与による続発性アミロイド症実験モデル動物の作出
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2006~2007
研究担当者 山田学
山本佑
中村菊保
発行年度 2007
要約  ウサギでは、飛節潰瘍症を実験的に引き起こした後に牛アミロイド線維を投与し、炎症刺激を加えることにより、高率にアミロイド症の発症促進がみられる。一方、豚では発症しない。
キーワード AAアミロイド、アミロイド症、牛、豚、ウサギ
背景・ねらい  アミロイド症は、種々の異なる前駆蛋白がアミロイド線維となって沈着する疾患である。その発症機構についてはいくつかの共通因子があることが知られているが、研究のための動物モデルの不十分さの為に、その病態の詳細は不明である。マウスでは実験的に持続的な炎症刺激を加えることにより4週間ほどで続発性アミロイド症を作製でき、さらにアミロイド線維を投与することによってその発症が促進されることが報告されている。本研究では、続発性アミロイド症の牛から抽出した牛アミロイド線維の実験動物や家畜への投与試験を実施し、家畜の続発性アミロイド症の発病メカニズム解析のための実験モデルの作出を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 健常のウサギに牛アミロイド線維(20 mg wet weight/ml)を投与すると共に炎症刺激を行い、アミロイドの誘発を試みたところ、アミロイド症の発症促進はほとんど認められない。
  2. ウサギの足に飛節潰瘍症を実験的に引き起こし、そのウサギに牛アミロイド線維(20 mg wet weight/ml)を投与すると共に炎症刺激を行い、アミロイドの誘発を試みたところ、5回以上の炎症刺激によって高率にアミロイド症の発症が認められる(表1、写真1)。
  3. 豚に牛アミロイド線維(100 mg wet weight/5ml)を投与すると共に、炎症刺激を行い、アミロイドの誘発を試みたところ、投与1日目と3日目に1頭ずつアミロイドの沈着が軽度認められるものの(写真2)、投与4日目以降では認められず、豚では一過性に沈着したアミロイドは宿主反応によって除去される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 飛節潰瘍症のウサギではアミロイド症の発症促進が高率に認められ、アミロイド症発症機序解明のための実験モデルとして今後有用である。
  2. アミロイド投与実験豚では一度沈着したアミロイドが除去されており、沈着したアミロイドに対する宿主の除去機構検索、治療法開発のための実験モデルとして今後有用である可能性がある。
図表1 225872-1.jpg
図表2 225872-2.gif
図表3 225872-3.gif
カテゴリ 治療法

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