H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスはアイガモおよびガチョウの羽上皮細胞で増殖する

タイトル H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスはアイガモおよびガチョウの羽上皮細胞で増殖する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2005~2007
研究担当者 岡松正敏
山田学
山本佑
真瀬昌司
中村菊保
発行年度 2007
要約  日本で分離されたH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスは、アイガモやガチョウの羽上皮細胞で増殖する。感染した水禽類の羽がウイルス排泄経路となる可能性がある。
キーワード H5N1高病原性鳥インフルエンザ、アイガモ、ガチョウ、ウイルス排泄
背景・ねらい  1997年以降、アジアではH5N1高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が続いており、原因となるウイルスはヨーロッパ、中東、アフリカへ広がっている。遠隔地へのウイルスの伝播には、渡り鳥などの野鳥が関わっていると推察されている。一方H5N1 HPAIが地域的に蔓延している東南アジアでは、疫学調査の結果、カモ類等の家畜化された水禽類がウイルスを運ぶことによって、ウイルスの伝播に深く関わっていると指摘されており、その疫学的な役割が注目されている。通常、H5N1 HPAIウイルスに感染した水禽類からのウイルス排泄は、呼吸器分泌物や糞便を介して起こるとされている。本研究では、H5N1 HPAIウイルスに感染したアイガモやガチョウの羽を介したウイルス排泄の可能性を解析する。
成果の内容・特徴
  1. 2004年および2007年に日本で分離されたH5N1HPAIウイルスに感染したアイガモおよびガチョウは、ほとんど症状を示さない。しかし、ウイルスは感染した鳥の羽に組織学的な病変を形成し、羽上皮細胞に一致してウイルス抗原が検出される (図1A~B、表1)。またウイルス接種鳥の皮膚からウイルスが分離される(表1)。
  2. 電子顕微鏡学的検査により、アイガモおよびガチョウの羽上皮細胞で増殖するH5N1 HPAIウイルスが観察される(図1C~E)。
  3. 感染アイガモの綿羽を採材し、健康なアイガモに経口投与することによって感染が成立し、糞便へのウイルス排泄および抗体産生が起こる。
成果の活用面・留意点
  1. アイガモやガチョウがH5N1 HPAIウイルスに感染した場合、感染した鳥の呼吸器分泌物や糞便と共に、脱落した羽が環境を汚染し、ウイルス伝播に関与する可能性がある。
図表1 225875-1.jpg
図表2 225875-2.gif
カテゴリ ガチョウ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる