PCR-ELOSA法を用いた水胞性口炎ウイルスの検出と血清型特定法の開発

タイトル PCR-ELOSA法を用いた水胞性口炎ウイルスの検出と血清型特定法の開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 坂本研一
山添麗子
深井克彦
大橋誠一
朝井香子
発行年度 2007
要約  新たに開発した水胞性口炎ウイルスの遺伝子診断法は高感度にウイルスRNAを検出できるだけでなく、迅速に血清型の特定も可能である。本法は特異性が高く、緊急時の補助診断法として有用である。
キーワード 水胞性口炎、迅速診断法、PCR-ELOSA
背景・ねらい  水胞性口炎は馬、牛、豚の家畜や野生動物の蹄や口腔粘膜に水疱病変を形成する海外悪性伝染病であり、口蹄疫と同様国内に侵入した場合、重大な損害をもたらす。水胞性口炎ウイルスには少なくとも抗原性の異なる2種類の血清型(NJ血清型およびIND1血清型)があり、発生地域ごとにきわめて多様な抗原性状を示すことから免疫学的な診断法には限界があると考えられる。一方、遺伝子診断法については未だ種々の血清型に共通する手法は確立されていない。本研究では迅速かつ高感度にウイルスの検出と血清型の特定が可能なPCR-enzyme linked oligosorbent assay (PCR-ELOSA) 法を応用した診断法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 共通プライマーを用いたRT-PCRでは代表的なNJ血清型およびIND血清型ともに、検出可能である。
  2. 血清型特異的プローブを用いた場合、102 TCID50まで検出可能で、アガロースゲル電気泳動法に比べ10倍高い検出感度を持っている(図2)。
  3. 血清型特異的プローブの特異性は高く、血清型相互の交差反応は認められない。また、類症鑑別が必要な口蹄疫ウイルスや豚水胞病ウイルスとの反応も認められない(図3)。
  4. 感染動物の材料を用いた検出においても、PCR-ELOSA法はアガロースゲル電気泳動法に比べ、感度が高く、非特異的な反応も認められない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究成果はPCR法と同様の機器のみで、迅速な遺伝子の検出および血清型の特定ができる。
  2. 緊急診断時の迅速補助診断の1つとして、PCR-ELOSA法は有用である。
図表1 225877-1.jpg
図表2 225877-2.jpg
図表3 225877-3.gif
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