現行の牛海綿状脳症(BSE)サーベイランス検査および確定検査により鹿慢性消耗症(CWD)は検出できる

タイトル 現行の牛海綿状脳症(BSE)サーベイランス検査および確定検査により鹿慢性消耗症(CWD)は検出できる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2005~2007
研究担当者 横山隆
岩丸祥史
吉田歩
今村守一
舛甚賢太郎
嶋田希実
毛利資郎
木村久美子
発行年度 2007
要約  わが国で施行されている BSE検査および確定検査方法は CWDの摘発に有用である。2003~2006年度に行ったCWDサーベイランスにおいて、国内のシカにCWDの浸潤は認められない。
キーワード シカ、鹿慢性消耗症(CWD)、検査・診断方法、サーベイランス
背景・ねらい  鹿慢性消耗病(CWD)は、牛海綿状脳症(BSE)および羊・山羊のスクレイピーとともに動物のプリオン病である。近年、CWDの発生が北米を中心に多発している。わが国においてCWDの発生は認められていないが、本病の発生原因は明らかとされていないこと、CWDは水平感染により蔓延すること、ヒトに対するリスクも明らかでないことからその発生予察および侵入防止が必要とされ、わが国で用いられているBSE検査法のCWDへの有用性について検討するとともに国内のシカを対象に浸潤状況調査を実施する。
成果の内容・特徴
  1. CWDは、わが国で承認されている市販のBSE検査キット(バイオラッド社;TeSeE BSE検出キット,富士レビオ社;フレライザBSEキット)によって検出される。
  2. CWD感染シカ由来の異常プリオン蛋白質(PrPSc)は、BSE確定検査で用いられている抗プリオン蛋白質抗体と反応する(表1)。
  3. BSE確定検査で用いられるウェスタンブロット法(WB法)および免疫組織化学的検査(IHC法)でCWDの診断が可能である (表1)。
  4. 2003~2006年度に実施したCWDサーベイランスにおいて、国内のシカにCWDの浸潤は認められない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. わが国で採用されているBSE検査・確定検査方法はCWDの摘発に有用である。
  2. CWDの検出に新たな診断法の開発・導入は必要としない。
  3. わが国のBSE検査および確定検査機関はCWDを迅速・的確に摘発できる。
  4. CWDの侵入および蔓延防止のため、CWDの監視が必要である。
  5. 過去4年間の調査で国内のシカからCWDは検出されなかった。
図表1 225887-1.gif
図表2 225887-2.gif
カテゴリ シカ 山羊

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