タイトル | ハリナシミツバチ類の周年飼養及び群殖が可能な巣箱 |
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担当機関 | 畜産試験場 |
研究期間 | 2000~2000 |
研究担当者 |
根本 鉄 天野和宏 |
発行年度 | 2000 |
要約 | 我が国の施設栽培におけるポリネーターとして有望視されるハリナシミツバチ類(Meliponinae)を周年飼養し、併せて群殖(コロニーの増殖)が行える加温式水平分離式巣箱を提供する。 |
背景・ねらい | 熱帯・亜熱帯地域で長い養蜂歴史をもつハリナシミツバチ類(Meliponinae)はミツバチ類(Apinae)と同様、高次真社会性昆虫類に属する。 わが国での施設栽培を前提としたハリナシミツバチ類のポリネーター(花粉媒介者)としての利用特性を見ると、刺傷性がない、訪花性が高い、高温耐性が強い、採餌行動圏が狭い、巣は永続性、野外に逃亡しても温帯地域では定着できず生態系に影響を与えない、など多くの利点が考えられる。温帯地域で飼養する最大の問題は冬季の低温である。 本巣箱はその問題を解決するとともにコロニーの増殖をも可能にする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 図2)。 2. ハリナシミツバチの巣は、蜜蝋と樹脂の混合物(プロポリス)で作られており、これらは熱伝導性が低く、また、融点は60数℃と低い。そのため、加温巣箱の製作には巣内に直接、熱源を設置することはできない。考案された巣箱は、内巣箱(本巣箱)とそれを覆う外巣箱から成り、外巣箱には加温装置を備える。本巣箱と外巣箱との空間の温度を設定して本巣箱内部の温度を制御する仕組みである。 3. 図4)。 4. 群殖は、本巣箱のスプリット板に沿って巣盤を水平に二分割し、それぞれの片割れを新たな本巣箱と組み合わせることにより行う。 5. 波状的に増加するコロニー重量が、群殖時期の目安となる。 6. 図5)により、導入した4種のハリナシミツバチコロニーの周年飼養および群殖が容易になされた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 我が国においては全てのハリナシミツバチ類が未利用種となっており、これまでに実利用を目的としたコロニーの導入はなされていない。 |
カテゴリ | 亜熱帯 高温耐性 施設栽培 ミツバチ |