コートタンパク質(CP)遺伝子導入によるオオムギマイルドモザイクウイルス(BaMMV) 抵抗性素材の作出

タイトル コートタンパク質(CP)遺伝子導入によるオオムギマイルドモザイクウイルス(BaMMV) 抵抗性素材の作出
担当機関 農業研究センター
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約  パーティクルガンによるオオムギの形質転換系を活用して,BaMMVのコートタンパク質遺伝子をオオムギ(品種:ニューゴールデン)に導入したところ, 本ウイルスに対して抵抗性を示す系統を得ることができた。
背景・ねらい BaMMVはオオムギの根に寄生する Polymyxa graminis 菌により媒介され土壌伝染
することから、現在のところ、 抵抗性品種の利用が唯一の防除法となっている。
本研究では、BaMMVのCP遺伝子をパーティクルガンを用いて導入することにより、
BaMMV抵抗性オオムギ育種素材を育成する。同時に、有効な接種検定法のない本ウ
イルス病について閉鎖系でも適用可能な抵抗性検定法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 従来本ウイルスの汁液接種は困難とされていたが、ウイルスを2回接種するなど改良を加え、コントロールでの感染率が90-100%という信頼性の高い検定法を確立できた。
  2. (T0植物) :3840個の未熟胚をパーティクルガン処理して、再分化した植物体の内65個体についてCP遺伝子の組み込みが確認できた。これら65個体すべてについて自殖種子を得ることができ穂ごとに採種した。
  3. (T1植物) :サザン法でCP遺伝子の導入確認した後代から5系統を選び、各系統につき5個体、計25個体を育成した。PCR-サザン法では23個体について遺伝子の存在を確認でき、ウェスタン法でもこの23個体については概ね(発現弱いものを含めて)CP遺伝子の発現を確認できた(図1)。
  4. (T2植物) :幼苗にウイルスを人工(汁液)接種して抵抗性検定を行った。感染率0%と50%の2集団を選んでPCR-サザン法で検定したところ、すべての個体についてCP遺伝子の存在を確認できた。なお非形質転換体は100%の感染率を示した(図2)。
  5. 以上の通り、 実用品種であるニューゴールデンにウイルスCP遺伝子を導入し、 抵抗性を示す系統を得ることができた。
成果の活用面・留意点 本研究で得られた成果は平成9年度から始まるプロジェクト研究(バイテク育種、
課題名:ウイルス病抵抗性オオムギの作出・抵抗性解析)に引き継いで、後代検
定を継続するとともに抵抗性の遺伝様式などについても検討する予定である。ま
た有望な系統は育種素材として活用していく。
図表1 226185-1.jpg
図表2 226185-2.jpg
カテゴリ 病害虫 育種 大麦 抵抗性 抵抗性検定 抵抗性品種 品種 防除

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