タイトル |
オオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子ym3のマッピング |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1994~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ym3をもつオオムギ縞萎縮病抵抗性品種「イシュクシラズ」と罹病性ビールオオムギ品種「交A」の F2と既存のRFLPマーカーを用いてym3をマッピングすると、ym3は染色体5HのRFLPマーカーABG705とCDO749との間に座位する。
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背景・ねらい |
オオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子ym5の育種選抜においては、ym5に近接するエステラーゼを分子マーカーとして早期に選抜することがすでに実用化されている。しかし、わが国のオオムギ縞萎縮病原因ウイルスの全ての系統に抵抗性を示すym3は染色体2Hに座位する情報があるものの、これに近接する分子マーカーが開発されていない。そのため、すでに公開されているオオムギRFLPマーカーを用いて、ym3に近接するRFLP(制限酵素断片長多型)マーカーを探索する。
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成果の内容・特徴 |
- オオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子ym3をもつオオムギ品種「イシュクシラズ」と罹病性ビールオオムギ品種「交A」を交配親とするF2集団153個体、F3系統1系統当たり30個体を供試し、RFLP検出に制限酵素6種類(BamHI, BglⅡ, DraⅠ, EcoRV, HindⅢ, XbaⅠ)を使用した。
- 既存の公開RFLPマーカーである、米国コーネル大のDr.Sorrellsから分譲された北米オオムギゲノムマッピングプロジェクトのNABGMPマーカーと、またドイツのDr.Granerから分譲されたRFLPマーカーのうち、染色体2H、染色体5H上のRFLPマーカーを使用した。
- F2の各個体からCTAB法で抽出したゲノムNA5μg/レーンに対して、RFLPマーカーを非アイソトープ標識(DIG法)したプローブでサザンハイブリダイゼーション分析し、RFLPマーカーのF2集団(153個体)内での分離を調査した。
- 遺伝子連鎖分析はMAPMAKER2.0を用い、最小LODを3.0と設定した。
- ym3の縞萎縮病抵抗性は単一遺伝子座によって決定されていると推定でき(データ省略)、その遺伝子座ym3は染色体2Hではなく染色体5Hの短腕に座位し、ABG705とCDO749との間に、11.7cMと5.4cMの距離で連鎖する(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- ym3と近接するRFLPマーカー、ABG705とCDO749はym3を間接選抜する分子マーカーとして育種選抜に利用できる。
- ABG705とCDO749を入手する場合は北米ワシントン大学のDr.Kleinhofsへ分譲依頼する。
- 実用にあたっては、育種母本におけるABG705とCDO749のRFLP検定が必要である。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
萎縮病
大麦
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
品種
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