高能率ゲノム走査法の開発

タイトル 高能率ゲノム走査法の開発
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 コンパクトで多数のレーンを同時に扱える泳動システムの開発により、ゲノム分析の特徴である多数のマーカーによる遺伝分析を低コスト・高効率で行えるシステムを実現した。これにより、既存のマップの有無にかかわらず、従来の最詳細のマップを一桁上回る精度での精密遺伝分析や、精密なゲノム地図の一人・数ヶ月での作製も可能となった。
背景・ねらい ゲノム分析はその特徴として極めて多数の核酸マーカーを用いた遺伝分析を伴う。これがその強力な
分析力の源泉となるところでもあるが、同時にその実行には多大の労力と時間、費用を要し、
実際の適用には制限が伴うことが多い。こうした制限を打破し、少ない労力と時間と費用とで
全ゲノムを走査するように多数のマーカーを効率よく扱うことにより、従来を大きく上回る精度で
ゲノム分析を行えるシステムの構築を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 4枚の小型のゲル(各66レーン)でマーカーを除いて全256サンプルを一度に泳動するシステムとAFLPとを組み合わせることにより、1度(1日)に1万以上の核酸バンドを容易に分析できるシステムを開発した。これにより、高価なシークエンサーを長時間占有するもことなく、大型ゲルやRI(ラジオアイソトープ)も使わずに安価なプライマーを同時に多数・少量用いることにより極めて高能率のマーカー分析が可能となった。通常の育種用マーカーから、ポジショナルクローニング等に向けての精密近傍マーカーの探索、短時間での精密地図作製・QTL分析・系統分析等広い範囲での適用が考えられる。
  2. 我々が昨年単離したイネのいもち病抵抗性遺伝子Pi-bに対応する、イネいもち病菌の非病原性遺伝子avrPibの単離のために、本法をavrPib+株と-株との交配後代についてのバルク分析に用いた例を図1に示した。これにより、約5%の多型率の両親の組み合わせにおいて4-5日の分析で約300本の多型バンドを検索することができた。これは同時に行った従来のRAPD法による分析の約15倍の効率である。さらにここで得られた近傍の多型バンドを本法によるF1分析2週間程度で得られた結果が図2の精密地図である。これらの近傍マーカーをクローン化してハイブリ分析用のプローブを調製することができ、これによりSCARマーカーの作製や、BACライブラリーから対応するクローンを検出して遺伝子周辺の物理地図を作製する事も容易に行われる。
成果の活用面・留意点 一般に極めて広範囲のゲノム・遺伝分析への応用が見込まれるので、特許取得後、適当な企業と提携して市販品としての実用化を図る。
図表1 226252-1.jpg
図表2 226252-2.jpg
カテゴリ 育種 いもち病 抵抗性遺伝子 低コスト

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