遺伝子組換えによるモチ性カンショの作出

タイトル 遺伝子組換えによるモチ性カンショの作出
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 カンショ(高系14号)から単離したデンプン粒結合型スターチシンターゼⅠの全長cDNAをセンス方向で高系14号に導入することにより、モチ性のカンショを作出した。
背景・ねらい 近年、デンプン代謝に関与する酵素の生化学的な研究は急速に進んでおり、その知見を生かして、
遺伝子組換えにより、既存の遺伝変異の範囲を超えるデンプンの変異を得ることが可能となりつつある。
本研究では、その一つの試みとして、アミロースの合成をつかさどるデンプン粒結合型スターチ
シンターゼⅠ(GBSSI)の全長cDNAをセンス導入し、モチ性カンショの作出を行う。
成果の内容・特徴
  1. アグロバクテリウム法(Agrobacterium tumefaciens EHA101を使用)によって得られた26個体の組換え体の塊根を、ヨウ素ヨードカリ染色により
    スクリーニングした結果、1個体においてモチ性を示す茶褐色の染色パターンがみられた(図1左)。
  2. 塊根より調製したデンプンのアミロース含量をヨウ素吸光度法で調べた結果、非組換え体およびコント
    ロールの組換え体では、それぞれ17.4%、18.3%であるのに対し、この個体では0%である(図2)。
  3. 塊根より調製したデンプン粒からタンパクを抽出して、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べた
    結果、この個体では塊根におけるGBSSIタンパクの発現がみられない(図3レーン1)。
  4. 以上の結果から本組換え体はモチ性であると判断される。
成果の活用面・留意点 これまでにモチ性のカンショは見出されていないため、本組換え体はデンプン特性を解明するため
の新規材料として有用である。
カテゴリ かんしょ

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