葉緑体熱ショック蛋白質の構成的発現による植物のストレス耐性の改良

タイトル 葉緑体熱ショック蛋白質の構成的発現による植物のストレス耐性の改良
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1994~2000
研究担当者 徳富光恵
発行年度 2000
要約 葉緑体内で分子シャペロンとして作用する低分子量熱ショック蛋白質を構成的に発現させることにより、植物の高温ストレス耐性と光酸化ストレス耐性が改良された。
キーワード 葉緑体、分子シャペロン、高温ストレス耐性、光酸化ストレス耐性
背景・ねらい 環境ストレスによる植物の傷害の多くのものは、光酸化ストレスに起因している。これは、環境ストレスで葉緑体内の光合成系、特に光化学系と電子伝達系の機能が損なわれ、吸収した光エネルギーの一部が反応性の高いラジカルや活性酸素として放出されるためである。本研究の目的は、葉緑体内で分子シャペロンとして作用する葉緑体局在性低分子量熱ショック蛋白質(smHSP)を構成的に発現させることによって、光合成系のストレス耐性ひいては植物のストレス耐性を改良することである。
成果の内容・特徴
  1. タバコsmHSP cDNAをCaMV 35Sプロモーターに連結したキメラ遺伝子をタバコに導入し、smHSPを構成的に発現する形質転換タバコを作出した。
  2. smHSPの構成的発現によって、幼植物の高温耐性(図1)と光酸化ストレス耐性(図2)が改良される。
  3. smHSPの構成的発現によって、成熟葉の光合成の高温失活、すなわち、葉緑体ストロマ中の可溶性蛋白質であるRubiscoアクティベースとチラコイド膜中の光化学系Ⅱの高温失活がともに抑えられる。
成果の活用面・留意点
  1. smHSPの構成的発現によるストレス耐性の改良は、すべての植物に適用可能である。
  2. ストレス条件下での植物の生育に対するsmHSPの効果を検討する必要がある。
図表1 226277-1.png
図表2 226277-2.png
カテゴリ 高温耐性 たばこ

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