ミュータントパネルを用いたイネフィトクロムA突然変異体の分離と表現型

タイトル ミュータントパネルを用いたイネフィトクロムA突然変異体の分離と表現型
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者 高野誠
鐘ヶ江弘美
発行年度 2000
要約 イネのフィトクロム A(phyA)の機能を解明するため、ミュータントパネルからphyA 突然変異体を6系統分離した。それらの表現型を解析し、phyAは黄化芽生えにおいて遠赤色光を感知する主要なフィトクロム分子種であることを初めて明らかにした。
背景・ねらい  光は植物にとって最も重要な外界からの情報の一つであり、生長、分化、代謝などの制御に重要な役割を果たしている。そのために植物は複数の光受容体分子群を持ち、波長、光量の変化(木陰と日向、明け方・夕暮れと日中)、日長(長日、短日)等、光から様々な情報を受け取っている。したがって、光の波長、光量、光周期などを人工的に操作することにより、植物の生育を制御することも可能である。
 イネにおいてそのような光による生長制御の可能性を探るため、まず、光受容体分子の中で中心的な役割を果たしているフィトクロム(phy)の機能を明らかにする必要があると考え、ミュータントパネルからphyA突然変異体を分離し、その表現型を解析した。
成果の内容・特徴
  1. 4種類のPHYA特異的、2種類のTos17特異的プライマーの組み合わせでミュータントパネルをスクリーニングし、6種類のphyA突然変異体系統(osphyA-1~6)を分離した。それぞれの変異体系統でのPCR増幅産物の塩基配列を解析して、Tos17の挿入位置を同定した(図1)。
  2. phyA突然変異体は、遠赤色光照射下で発芽させても暗所黄化芽生えと同様の形態を示した。すなわち、phyA突然変異体では、遠赤色光照射による子葉鞘とメソコチルの伸長抑制や冠根の重力屈性誘導が認められず(図2)、phyAが遠赤外光を感知して光形態形成反応を引き起こす主要なフィトクロム分子種であることを初めて証明した。
  3. wild type(あきたこまち)とphyA突然変異体は自然日長下ではいずれも播種後112日前後で開花した。短日条件(10.5時間/13.5時間の明暗サイクル)で育てると、phyA突然変異体もwild typeと同様に開花が早まり、50日前後で開花した(図3)。また、草姿もwild typeとphyA突然変異体の間でほとんど違いは認められなかった。
成果の活用面・留意点 phyA突然変異体の解析の結果、phyAは発芽の初期段階で遠赤色光を受容して光形態形成を引き起こす主要なフィトクロム分子種であることが明らかとなり、光の下で生育を始めてからは他の分子種と重複した機能をもつと考えられる。イネには3種類のフィトクロム分子種(phyA,B,C)が存在するので、phyA以外の分子種についても突然変異体を分離し、解析を進める必要がある。
カテゴリ 播種

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