イネ赤条斑病の病原の特定

タイトル イネ赤条斑病の病原の特定
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 加来久敏
落合弘和
発行年度 2001
要約 東南アジアで問題となっているイネ赤条斑病の病原は細菌で、本病原細菌は16S rDNAシークエンスの解析からMicrobacterium属に属するグラム陽性菌である。
キーワード イネ、赤条斑病、病原細菌、16S rDNA、進化
背景・ねらい イネ赤条斑病は1987年にインドネシアで最初に報告され、その後、ベトナム、タイ、フィリピンなど熱帯各国で問題となっており、熱帯において現在最も注目されているイネの病害である。本病は最初、bacterial red stripeと命名された。しかしながら、本病の病原細菌は同定されておらず、その後、病原は糸状菌であるという説も出され、病原はこれまでのところ特定されていない。
そこで、本病の病原を明らかにするため、自然発病した病斑を採集し、それらの病態解剖を行うとともに、病原細菌の分離を行い、さらに、16S rDNAの解析によって同定を行った。
成果の内容・特徴
  • 自然発病した典型的病斑(図1)を連続切片として観察した結果、供試したいずれの試料からも細菌が観察された。細菌は病斑部の維管束・導管内で細菌塊として観察された。細菌塊は多くは導管壁に貼り付いた形で観察された(図2)。また、初期病斑では、細菌は気孔下空隙及びその周辺の柔組織の細胞間隙において観察された。
  • インドネシアで採集したイネ赤条斑病罹病サンプルより細菌の分離を行った結果、病斑から分離される細菌は多様であったが、これらのうち、白色透明なコロニーを形成する分離株が多針法により病原性を示した。発現した病徴は典型的病徴と同様で、赤褐色の斑点が現れ、その部分からハローが伸展した。
  • 病原性を示した分離株RS-10について、16S rDNAの塩基配列を決定し、そのシークエンスを既知の種とデーターベース上で比較した結果、Microbacterium属内の種と最も高い相同性(95.6-98.7)を示した(図3)。Microbacterium属は植物病原細菌を多数含むClavibacter属と近縁である。
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