BACライブラリーを用いたESTの効率的マッピング方法

タイトル BACライブラリーを用いたESTの効率的マッピング方法
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2002
研究担当者 安河内祐二
三田和英
山本公子
馬場浩太郎
門野敬子
発行年度 2002
要約 ESTを効率的にマッピングする方法として、ESTをプローブにBACライブラリーをスクリーニングして、得られたBACクローンを遺伝地図上のマーカーから別途単離したBACクローンと照合することにより、ESTを効率的にマッピングする方法を開発した。
キーワード 連鎖解析、BAC、EST、カイコ
背景・ねらい 昆虫等の小動物では1個体から得られるDNAが微量であるため、RFLP法など一定のDNA量を要する連鎖解析法は適用困難であり、PCR多型を利用する必要がある。しかし、エクソン・イントロン構造が未知であるcDNAに対して最適なPCRプライマーを設計し、増幅断片が標的としたcDNAに由来することを明らかにするのは容易ではなく、完全長が得られず解析の品質も劣るESTの場合はさらに困難である。そこで、まずESTをプローブにBACライブラリーをスクリーニングして、得られたBACクローンを遺伝地図上のマーカーから別途単離したBACクローンと照合することにより、ESTを効率的にマッピングする方法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. BACクローン18,432個をドットブロットした高密度フィルターに、ESTクローンをECL法によりラベルしたプローブによりハイブリダイズさせ、洗浄後化学発光をX線フィルムで検出した。
  2. 用いた約3,000個のESTクローンのうち、多コピー配列を含んでいるため多数のBACクローンにハイブリダイズしているものを除いて結果を整理したところ、943個のBACコンティグが存在し、コンティグ1個あたり1~21個、合計1,487個のESTを含むものと推定された(表1)。
  3. 一方、既に作成した遺伝地図上の多型マーカーによるBACライブラリーのPCRスクリーニングの結果、全ライブラリー中の約7%のクローンを遺伝地図上に位置づけることができた。複数のマーカーで共通して検出されるクローンの存在から、合計236個のBACコンティグが存在し、ZW染色体を含む全染色体上に分布していることが判明した(表2)。
  4. 前2項の結果を照合したところ、既にマッピングしていたものを含め251個の既知遺伝子とESTを位置づけることができた(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. PCRスクリーニング、ハイブリダイゼーションとも、解析数を増やすことにより、より高密度・高精度化しうるものと考えられる。
  2. 特定の領域に絞った塩基配列決定の材料として、興味のある遺伝子を含むBACを供給できる。
  3. 全ゲノムショットガン塩基配列決定法で得られた塩基配列が、どの染色体領域に由来するのかを明らかにするための指標となりうる。
カテゴリ カイコ 大豆

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