タイトル | 細断型ロールベーラで調製されたトウモロコシサイレージの発酵特性 |
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担当機関 | 畜草研 |
研究期間 | 1999~2000 |
研究担当者 |
山名伸樹 志藤博克(生研機構) 上垣隆一(現農環研) 藤田泰仁 蔡 義民 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 細断型ロールベーラにより、トウモロコシのロールベールラップサイレージが高品質で調製される。このロールベールサイレージは、長期間の保存が可能で、発酵品質は、施設型サイロに劣らない。 |
キーワード | 動物栄養、細断型ロールベーラ、トウモロコシ、サイレージ、好気的変敗 |
背景・ねらい | 現在、トウモロコシサイレージ調製は、重労働作業であり、作業の省力化にむけて、ロールベーラによる収穫調製体系の確立が期待されている。今回、生研機構で試作された細断型ロールベーラを用いて調製されたトウモロコシサイレージの発酵特性を解明し、乳酸菌または四蟻酸アンモニウムの添加効果について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. トウモロコシ材料草中の可溶性炭水化物含量は高く、付着する乳酸菌および酵母の分布レベルが高い(表1)。 2. 細断型ロールベーラで梱包・調製したトウモロコシサイレージはフィルム重複率50%、6層巻のラッピングで、乳酸菌添加の有無に関わらず、乳酸含量が高く、pH値とアンモニア態窒素含量が低く、良質なものが調製される(表2)。 3. ロールベールサイレージの発酵品質は、1年以上の貯蔵でも安定に保持され、施設型サイロで調製されるサイレージに匹敵する(表2)。 4. ロールベールサイレージ開封後、20℃以上と気温の高い条件では、無添加区と乳酸菌添加区(105CFU(colony forming unit)/gFMレベル)のサイレージで酵母が旺盛に増殖し、乳酸含量が減少し、pHと温度が上昇する典型的な好気的変敗が生じる。しかし、調製時に四蟻酸アンモニウムを0.3%添加したサイレージでは、酵母の生育が阻害され、開封後6日まで、サイレージの乳酸含量の変化はほとんどなく、変敗を抑制する(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. トウモロコシの省力的収穫作業体系で、高品質ロールベールサイレージの調製の参考になる。 2. 長期安定貯蔵には、嫌気条件を保つため、ラップの損傷を防止する必要がある。 3. トウモロコシ用細断型ロールベーラは開発段階である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 省力化 とうもろこし トウモロコシサイレージ |