タイトル | 造成初期の強い放牧に適する草と適さない草 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1997~2000 |
研究担当者 |
安藤哲 大槻和夫 栂村恭子 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 造成後2年間の高放牧圧下の利用で、ペレニアルライグラスは輪換放牧でも定置放牧でもよく適する。フェストロリウムはそれに次ぐ。オーチャードグラスは利用2年目に、リードカナリーグラスは1年目から植生が悪化する。 |
キーワード | 飼育管理、牧草類、輪換放牧、定置放牧、高放牧圧、放牧適性 |
背景・ねらい | 面積の制約がある場合や、土地生産性を上げるためには高放牧圧での利用に適した牧草が必要である。しかし、牧草の放牧適性は、頻回刈り取りによって評価されていることが多く、実際の放牧での評価も高い放牧圧下で利用された例は少ない。そこで、4草種5品種の牧草を用いて、輪換または定置で高放牧圧で利用し、造成初期の放牧適性を調べる。 |
成果の内容・特徴 | 1. ペレニアルライグラス2品種(フレンド、ヤツガネ)とオーチャードグラス(ナツミドリ)、フェストロリウム属間雑種(エバーグリーン)、リードカナリーグラス(パラトン)を単播した試験草地を、造成後2年間にわたり、1日滞牧の短期輪換放牧(輪換区)または定置放牧(定置区)で、表1のように高い生産性のある高放牧圧下で育成牛を放牧した。 2. ペレニアルライグラスは、輪換放牧、定置放牧とも、被度、茎数が他の3草種に比べて高く、特にフレンド草地は、生産量に優れ、高放牧圧条件に適した牧草である。また、定置放牧でも輪換放牧なみの高い生産量がある(表2、図1)。 3. フェストロリウムは、ペレニアルライグラスについで、被度と茎数が高く、高放牧圧条件に対する適性がある(表2、図1)。 4. オーチャードグラスは1年目の生産量は高いが、2年目で急速に植生が悪化し、高放牧圧条件には適さない(表2、図1)。 5. リードカナリーグラスは利用1年目から急速に衰退する(図1)。1年目からの高い放牧圧がリードカナリーグラスに十分な栄養を地下茎に蓄えさせず、衰退する原因になったと考えられる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 造成初期に該当草種を放牧利用するときの基礎知見となる。 2. 北関東での造成後2年間の高放牧圧条件下の結果である。ヤツガネは現在は採種されていないので、後継品種の参考にされたい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 品種 |