タイトル | 搾乳施設等の洗浄に利用できる小型電解水生成装置 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
市来秀之 池口厚男 長谷川三喜 本田善文 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 小型の電解水生成装置をベースとして、搾乳施設等の洗浄に必要となる量を供給できるよう改良した装置。生成される電解水のpHは4 ~6 であり、遊離塩素濃度が貯留中に減少せず、既存の高圧洗浄機等で散布する場合でも殺菌に有効な濃度を維持できる。 |
キーワード | 乳用牛、飼育管理、搾乳、施設、電解水、酸性水 |
背景・ねらい | 畜舎施設等の洗浄に電解酸性水を適用する事例において殺菌効果が認められているが、大量の電解水を必要とするため、生成能力の高い装置の導入が前提であった。そこで、安価な小型電解水生成装置をベースとして大量の酸性水を自動生成・貯留できるよう改良して、その散布効果を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 改良した装置は、水道水に食品添加用塩酸(3%)を定量混合しながら電解する装置で、pH4~6の弱酸性水を生成する。本装置は手指洗浄を目的とした小型の機種をベースとしており、生成能力は毎分4リットルと低いが、レベルセンサーによる自動給水・満水停止機能を付加することで大量の電解水をタンク等へ自動貯留できるよう改良されている。自動洗浄によるミルクラインの殺菌、搾乳施設の床面等の殺菌および乳房洗浄等へ適用する場合、1日で1000~1500リットル程度必要となるが、タンクに自動貯留することで十分な生成量を確保できる。 2. 本装置で生成される弱酸性水は、pHが3以下の強酸性水と比較して、1)貯留中の遊離塩素濃度が安定している(図1)、2)散布装置が腐蝕されにくい、3)市販の高圧洗浄機等による噴射でも遊離塩素濃度が低下しない(表1)、等の特徴があり、搾乳施設の洗浄への利用が容易である。 3. 弱酸性水を牛床周りの洗浄作業に供試した事例では、一般好気性菌数が平均で60 %程度減少できた。また、大腸菌群数をほとんど検出できないまでに抑制できた(表2)。 4. 各種表面素材に模擬的に牛ふんを塗布して洗浄に供試した事例において、付着したふんを洗い流し易い塗装表面やステンレスの表面では、ホースから散水する程度の低圧流でも高い殺菌効果が得られた(表3)。なお、隔柵の亜鉛塗膜、コンクリート、木材では、表面にふんが残っていないように見える場所でも菌が残留しており、高圧洗浄機による散布が効果的である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ミルキングパーラー等の床面、壁面、隔柵等の洗浄に利用できる。 2. 酸性電解水の殺菌能力は有機物があると著しく減少するため、十分に固形物を洗い流す必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
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