タイトル | 汁液分析を利用した立毛中のソルガム類の硝酸態窒素の簡易推定法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1996~2001 |
研究担当者 |
吉村義則 原田久富美 須永義人 畠中哲哉 |
発行年度 | 2001 |
要約 | スーダングラスを含むソルガム類の出穂期以降の作物体の硝酸態窒素濃度は、稈長に対して地際から1/4の部位より1~2cm幅の茎切片の硝酸態窒素濃度の汁液分析と植物全体の乾物率から推定できる。 |
キーワード | 硝酸態窒素、診断、汁液分析、ソルガム、肥料 |
背景・ねらい | ソルガム類は窒素施用に対して硝酸態窒素濃度の高くなりやすい作物である。品種(群)選択と刈取時期を遅らせることにより硝酸態窒素濃度を低減化できるが、立毛中の作物体の硝酸態窒素濃度の診断が簡易にできれば、硝酸態窒素濃度を考慮に入れた適時刈取は容易になる。汁液分析による硝酸態窒素濃度の推定方法は、すでにトウモロコシで開発されている。そこで、ソルガム類についても汁液分析を利用した簡易な硝酸態窒素濃度の推定法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 考え方 ソルガム類の硝酸態窒素は、ほとんどが茎に含まれることより下式がなりたつ。本推定法では、濃度因子、希釈因子をそれぞれ推定することにより硝酸態窒素濃度を推定する。 乾物当たりの全植物体の硝酸態窒素濃度 ≒ [ 新鮮物当たりの茎部の硝酸態窒素濃度(濃度因子) ] × [ 茎部の乾物割合÷茎部の乾物率(希釈因子) ] 2. 濃度因子の推定 稈長に対して地際から1/4の部位より1cm幅の茎切片(スーダングラス、スーダン型ソルガムは2cm幅)を切断、搾汁して得た汁液中の硝酸態窒素濃度と濃度因子には高い相関関係が認められる。この関係を利用して、トウモロコシ及びソルガム類の各タイプごとに汁液中の硝酸態窒素濃度から濃度因子を推定する回帰式を作成した(図1)。 3. 希釈因子の推定 2~3年間の栽培試験による植物体全体の乾物率のデータから、各タイプごとに希釈因子を推定する2次の回帰曲線を作成した(図2)。 4. 硝酸態窒素濃度の推定 硝酸態窒素濃度の推定法を図示した(図3)。年次及び圃場が異なるソルガム類に対して硝酸態窒素濃度の推定を行ったところ、推定値と実測値はよく適合している(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ソルガム栽培現場での硝酸態窒素濃度の診断、低減に利用できる。 2. ソルガム類の刈取り高さは5~10cmを想定している。極端に違う場合は適応できない。 3. 乾物率や硝酸態窒素濃度を調べるために必要な期間を考慮したうえで診断を実施する |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 ソルガム とうもろこし 品種 |