タイトル | 稲発酵粗飼料調製用乳酸菌「畜草1号」製剤の開発 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
吉田宣夫(埼玉県農林総合研究センター) 三浦俊治(雪印種苗(株)) 徐春城 村井 勝 田中秀俊(雪印種苗(株)) 藤田泰仁 北村 亨(雪印種苗(株)) 蔡 義民 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 新しく開発された乳酸菌「畜草1号」の凍結乾燥製剤は水溶性粉末タイプであり、低温条件下で長期保存しても菌の活性は高い。東北と関東地域で実施した実証試験の結果、畜草1号製剤の添加によって高品質な稲発酵粗飼料が調製できる。 |
キーワード | 乳酸菌製剤、畜草1号、稲発酵粗飼料、飼料利用 |
背景・ねらい | 近年、稲発酵粗飼料の生産は遊休水田の有効活用、飼料自給率の向上、水田機能の維持や資源循環型農業畜産の推進等の観点から、普及に向けた取り組みが積極的に推進されている。高品質な稲発酵粗飼料の調製・貯蔵技術の開発が極めて重要である。そこで、高品質な飼料稲発酵粗飼料を調製できる乳酸菌製剤を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乳酸菌畜草1号(ラクトバチルス・プランタラム)製剤は粒度0.5mmの凍結粉末であり、ラミネート袋に小分けして密封すると低温条件下で長期保存できる(写真1)。 2. この製剤は水溶性で噴霧できるタイプで、調製現場での添加量が少なく、使用方法も簡単である。添加水準は飼料イネ新鮮材料草1トン当たり5gであり、水道水で溶かして添加すると、20個分のロール調製のための準備時間は5分程度である。 3. 畜草1号製剤の生菌数が1g当たり2.0x1010であり、6カ月間の冷蔵(5℃)保存でも、生菌数の低減が見られない(表1)。 4. 青森県、埼玉県および千葉県内で実証試験を行った結果、畜草1号製剤を添加したサイレージでは、無添加サイレージと比べ、pH値、酪酸含量およびアンモニア態窒素含量が低下し、乳酸含量や品質評点V-スコア-が高まり、異なる品種や地域で良質な稲発酵粗飼料が調製される(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 新規乳酸菌製剤として高品質な稲発酵粗飼料の調製に活用できる。 2. 乳酸菌添加剤は5℃以下で保存する。開封後は菌数が低下しやすいので、原則として使い切るのが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 水田 品種 保存・貯蔵 |