タイトル | 放牧牛のバイトレートと採食時間からのバイト数の推定方法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2001~2001 |
研究担当者 |
東山雅一 手島茂樹 山口学 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 放牧牛のバイト数は、直接観察では1人1 頭しか測定できないが、本報では1人で同時に複数頭の測定を可能にする方法を示す。 |
キーワード | 牛、永年草地・放牧、採食時間、バイト数、バイトレート、放牧飼養 |
背景・ねらい | 放牧牛のバイト数(草を噛みちぎる回数)は、牛の採食量を採食行動から推定する上で、重要な要素の1つである。しかし、直接観察では、同時に1人1頭しか測定できず、開発された測定機械もいくつかあるが、入手方法、値段、耐久性、精度など、一長一短があり普及するに至っていない。そこで、本報告では、1人で同時に複数頭のバイト数の測定を可能にする方法を示す。 |
成果の内容・特徴 | 1. 直接観察では、牛が採食している間中、草をちぎる回数を数えるために1人で1頭しか測定できない。本方法では、採食時間とバイトレートを変数として回帰式によりバイト数を推定する(図1-3)。採食時間は1分毎に採食しているかどうかから推定する。1分当たりのバイトレートは、採食している間に15分間に1回、牛が頭を下げたままで20回草を噛みちぎる時間をストップウォッチなどで測定し、算出する。以上の方法で測定効率は高まり、牛は群で行動し連続して採食するので、1人で複数頭の測定が可能となる。 2. 15分、1時間および採食期間(12-302分、平均86分)当たりのバイト数は、バイトレート(回/分)x採食時間(分)によって説明され、その精度は、測定時間が長くなるほど高まる(図1-3)。 3. 測定時間が長い場合(7-15時間)には、採食時間の推定は15分毎の採食行動の測定で十分なことから、バイト数の推定はさらに省力化できる。すなわち、15分毎の採食行動と15分に1回のバイトレートの調査とこの回帰式により推定できる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 活用例としては、測定時間が長い場合(7-15時間)には、毎時00、15、30、45分に牛の採食行動を確認し、15分以内で採食している牛のバイトレートの測定を行う。ほとんど見渡せる1.5haの草地で5頭の場合、観察者の休息も十分にとれる。 2. 調査牛全体が見渡せない場合や、異なる草地にいる場合には、行動観察の時間を5分ずらすなどの方法があるが、草地面積や草地間の距離に、測定頭数は制限される。 3. 黒毛和種育成牛で得られた式なので、他品種、特に成牛では回帰式が異なることも考えられる。 4. バイトを数える時には、目と耳で確認する。片方の場合、噛みちぎりと咀嚼や探索との区別が付かない。頭を下げたままの探索や移動は、バイトが連続していると考える。 5. 1採食期間は、10分以上連続した採食の期間とし、採食期の終了は、その他の行動が10分以上連続した場合とした。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 省力化 品種 |